更新日:2024.06.04
一枚板のオイル塗装について | 必要な道具や注意点についても解説
一枚板はそのまま使われることはまれで、保護・見栄えの向上から何らかの塗装を施すのが一般的です。
さまざまな塗装方法の中でも、木目の美しさを出したいときに最適といわれるのがオイル塗装です。
本記事では、一枚板のオイル塗装の方法や塗装に必要な道具、さらには注意点やおすすめのオイルを紹介します。
DIYのオイル塗装に興味のある方は、オイル塗装の基本をチェックしましょう。
一枚板のオイル塗装に必要な道具
一枚板のオイル塗装を始める前に、必要な道具をそろえましょう。
いずれもホームセンターなどで購入できるので、詳細を確認して準備を進めてください。
1. オイル塗料
一枚板のオイル塗装に使われるのは、植物オイルに添加物を混ぜた植物系オイルが一般的です。
塗装用にあつらえられたオイルが多数販売されているので、そちらを購入しましょう。
ホームセンターに行けば、さまざまな容量・メーカーのオイルが見つかります。
また、食用オイルをオイル塗装に使うことも可能です。
食用は健康被害などの懸念が少ないため、小さな子どもがいる家庭でも気兼ねなく使えます。
ただし食用オイルを使う場合は、乾燥で固まる乾性油のオイルを使用しましょう。
なお食用オイルは専用オイルと比較して保護力は専用オイルに劣る、固まるのに時間がかかる、変色しやすいといった特徴もあります。
デメリットについて理解した上で、使用を検討してください。
2. 布や刷毛
オイルを木目に浸透させるため、布や刷毛が必要です。
オイル塗装はオイルを板内部に染みこませることが目的のため、刷毛の形状や材質などにさほどこだわる必要はありません。
ただし余計なゴミやホコリが付かないよう、毛羽立ちのないものを選びましょう。
また布はいわゆる古布でも構いません。きれいに仕上げたい場合は、専用のワイプを使うのも一つの手です。
3. 耐水ペーパー
耐水ペーパーは、サンドペーパーの一種です。
水への耐性が高く、水に濡れても破れません。
一枚板のオイル塗装では、オイルを塗布する前の下準備と塗装後の仕上げに使います。
耐水ペーパーを選ぶときは、ペーパーに付いている数字に注目しましょう。
数字は番手と呼ばれ、数が大きいほど仕上がりがきめが細やかになります。
下準備用には400番、仕上げ用には600~1,000番くらいがおすすめです。
4. 割り箸や手袋
オイル塗料は、しばらく置いておくと分離します。
実際に使用する前に割り箸などでしっかりとかき混ぜましょう。
また手袋は、手の保護のために必要です。
植物系のオイル塗料が手についても、特に心配はいりません。
とはいえ手がベタベタになると作業にも差し障りが出るため、作業効率を考えるなら用意しておいた方が無難です。
一枚板のオイル塗装の前準備
一枚板のオイル塗装を行う前に、一枚板のコンディションを整えておく必要があります。
塗装前の一手間が仕上がりを左右するため丁寧に行いましょう。
実際にオイルを塗布する前に行いたい準備を紹介します。
1. 水拭き
オイル塗装の仕上がりをより美しくしたいなら、下準備として水拭きを行いましょう。
事前に水拭きしておくと一枚板の細かい傷やへこみが浮き上がります。
サンディングの精度が上がり、一枚板の表面がより美しくなるのです。
ただし、板を濡らしてしまうと、完全に乾くまでオイル塗装できません。
時間がないときや早くオイル塗装を始めたいときは、この工程は省いても構いません。
2. サンディング
サンドペーパーで板の表面をならします。
サンドペーパーは、より目の粗いものから細かいものへと使い分けていくとよいでしょう。
番手は好みで選んで構いませんが、120~180番、320~400番などがおすすめです。
オイル塗装前にサンディングを行うのは、オイルを均一に染みこませやすくするためです。
オイル塗装前の板の状態が、その後のオイル塗装の仕上がりを左右します。
時間を掛けて丁寧にサンディングしましょう。
一枚板のオイル塗装の方法
サンディングで一枚板のコンディションを整えたらいよいよオイル塗装を行います。
どのような工程なのか、一つひとつ手順を確認しましょう。
1. 塗装する(1回目)
刷毛や布にオイルを付けてそのまま板に塗布します。
オイルを伸ばすときは布を使い、しっかりとこすってください。
オイルは染みこませることが目的のため、塗りムラを気にする必要はありません。
1回目の塗装では木がオイルをぐんぐん吸い込みます。
表面に油が浮いてくるまで何度もオイルを重ねましょう。
2. 乾燥させる(1回目)
オイルをしっかりと染みこませたら風通しの良い日影で乾燥させます。
乾燥時間は半日程度でよいともいわれますが、1枚板なら1日、大きさによっては2~3日置いた方がよいでしょう。
この段階では見た目の変化を感じませんが、オイルは浸透しているので不安を覚える必要はありません。
3. 塗装・乾燥を繰り返す
一枚板を完全に乾かしたら2度目の塗装を行います。
1回目よりオイルの吸収は少ないので様子を見ながら塗布していきましょう。
オイルを塗り終わったら乾燥を待たずに耐水ペーパーで研磨します。
表面の毛羽立ちや凸凹をならし、しっかりと磨き上げてください。
一枚板の種類によっては、この段階で表面がすべすべになります。
現状に満足したのであればここで塗装を終えましょう。
一方、仕上がりに不満があったりもっときれいにしたかったりする場合は、乾燥からオイル塗装の手順を繰り返してください。
4. 仕上げに薄く油を塗る
全ての工程が終わったら最後に薄くオイルを塗ります。
これは表面を整えるためなので、たっぷり塗る必要はありません。
表面にさらっとオイルを付け、すぐに拭き取ってください。
一枚板にオイル塗装を施すメリット
オイル塗装は、無垢材の美しさ・風合いを生かせる塗装方法といわれています。
特に広葉樹の一枚板などは、オイル塗装を行うことで木目の美しさが際立つでしょう。
木目の美しい一枚板にオイル塗装がおすすめの理由を紹介します。
1. 木の温かみを損なわない
オイル塗装は、木の内部にオイルを浸透させて内側を固め、木を保護する塗装の方法です。
ウレタン塗装のように木の表面に膜を作らないため、木の呼吸を妨げません。
木が持つ調湿・温度調節機能が損なわれにくく、一枚板を自然に近い姿・機能で使用できます。
また、一枚板は使用を続けるうちにねじれや反り、割れが発生するのが一般的です。
しかしオイル塗装で内部を保護すると、一枚板特有の現象も抑えやすくなるといわれます。
2. 自分でメンテナンスできる
オイル塗装を施した一枚板は、傷や汚れをメンテナンスしやすいメリットもあります。
例えば一枚板の表面に傷や汚れがついてしまった場合、オイル塗装ならサンドペーパーで削って対処できます。
オイルの風合いが消えてきたと感じたら再塗装もでき、自分のタイミングでメンテナンスを行うことが可能です。
ウレタン系の塗料を使った場合、サンドペーパーで削ったり再塗装したりといった対処方法は行えません。
専門業者に依頼して塗料を剥がす必要があるでしょう。
一枚板にオイル塗装を行うときの注意点
一枚板にオイル塗装を行う際、注意したい点がいくつかあります。
オイル塗装の仕上げや安全面で気を付けたいポイントを紹介します。
直射日光を避ける
オイル塗装は、屋内の冷暗所で行いましょう。
直射日光が当たったり気温が高かったりするところで作業を行うと、一枚板の乾燥が激しくなります。
また、直射日光に当たっているとオイルの粘度が高まりやすく、仕上がりがベタつく可能性が大きいです。
特に夏期は外気温が高く、屋外での作業に適しません。オイル塗装を行う際は、場所の確保にも配慮が必要です。
使用済みの布や刷毛を適切に処理する
オイル塗装に使った布や刷毛は、大量の油を含んでいます。
放置すると自然発火する恐れがあるため、取り扱いに注意しましょう。
オイル塗装では水の入ったバケツを用意して、そこに使用済みの布や刷毛を入れるのがおすすめです。
一枚板のオイル塗装に挑戦してみよう
一枚板をオイル塗装すると木目の美しさが際立ちます。
加えてオイルは木の内部で固まるため、板の耐久性アップも期待できます。
オイル塗装は難しくなく、布や刷毛・植物系のオイル塗料があればすぐに塗装が可能です。
乾燥時間を守って丁寧にサンディングを行えば、きれいなツヤ・心地よい手触りの一枚板となるでしょう。
一枚板の風合いを活かすオイル塗装で、木本来の美しさを堪能してください。