一枚板の端材とは? 魅力・活用アイデア・購入方法を解説
一枚板の端材とは、一枚の板を加工した際に発生する余った部分のことです。
サイズは小さいですが木目の美しさや色合い、手触りなどは一般的な一枚板と変わらず、比較的リーズナブルなことからDIY用アイテムとして人気があります。
一枚板の端材は材木店・銘木店や一枚板専門店、ホームセンターなどで購入できます。
購入する場所によって価格や取り扱い商品、サービスなどが異なるため、自分に合った店を選びましょう。
本記事では、一枚板の端材の魅力・メリットから、活用アイデア、加工のコツ、おすすめの入手先まで解説しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
一枚板の端材とは?
前述の通り、一枚板の端材とは一枚板から取れる端材のことです。
一枚板は、おおむね樹齢100年以上の巨木を縦に切り出して作った板の総称です。
比較的安価な家具などでは薄い板(ベニヤ板)を複数の層に重ねた合板が使われることが多いのに対して、一枚板は高価な家具や工芸品に使われます。
一枚板を加工する際に発生する「余り」が端材で、小さな家具や工芸品の素材になります。
一枚板の端材の魅力・メリット
一枚板の端材の主な魅力は以下の5点です。
小さくても「一点物」としての価値がある
一枚板の端材には、他では手に入らない「一点物」としての価値があります。
一枚板の魅力である個性や希少性は、端材になっても失われません。
素材の希少性を楽しみたい方や、使い込むことによって得られる風合いに魅力を感じる方にはおすすめの素材です。
美しい木目・色合いをそのまま楽しめる
一枚板には美しい木目や色合い、質感などの魅力があり、それは端材でも同様に楽しめます。
天然の木の力強さや独特の触り心地は、合板にはないものです。
一枚板本体より価格が手頃
一枚板本体は美しいだけでなく、使い込むことにより違った魅力が現れる価値の高い素材ですが、一方で希少なため高額であるというデメリットがあります。価格は素材や大きさにより異なりますが、少なくとも10万円以上の値が付く傾向にあります。
一方、一枚板の端材は比較的安価に購入できます。材木店などの実店舗はもちろん、インターネットショッピングモールやオークションサイトなどでも購入可能です。
気軽にDIYを楽しめる
一枚板の端材はサイズも小さく、比較的安価なため、初心者でも失敗のリスクを恐れずに気軽にDIYを楽しめます。
コースターやスプーンなどのカトラリー、印鑑立てや時計などの小物、アクセサリーや額縁など、工夫次第でさまざまなものを作れるでしょう。
素材の有効活用になる
一枚板の端材を使ったDIYは、素材の有効活用にもつながります。
限られた素材から必要なアイテムを作るのは、DIYの精神に則したことです。
一枚板の端材の活用アイデア
先述の通り一枚板の端材はさまざまな小物や家具作りに活用できます。ここでは、具体的な端材の活用アイデアをいくつか紹介します。
DIY初心者の方はぜひ参考にしてください。
コースター
コースター(コップ敷き)は、一枚板の端材を活用した初心者向けのアイテムです。
天然木ならではの質感と温かみがあり、テーブルに置くだけで日常にぬくもりを添えてくれます。
木材なので保温性にも優れ、形やデザインの自由度が高いのも魅力です。
カッティングボード(まな板)
カッティングボード(まな板)も、一枚板の端材を活用できる初心者向けのアイテムです。
カッティングボードの製作に向いている素材はヒノキ、イチョウ、キリなどです。特にヒノキは防虫・抗菌作用に優れ、雑菌が繁殖しにくいことから人気があります。
これらの木材は滑りにくく安定感があり、包丁の刃を傷めにくいです。扱いやすさと耐久性を兼ね備えているため、長く使える実用的な端材活用法といえるでしょう。
トレイ・プレート
食事やお茶などを運ぶためのトレイやプレートも、端材を活用しやすいアイテムです。
DIYなら市販品にはないサイズや形に仕上げられるため、家族の人数分そろえる場合は一人ずつ異なる大きさにするなど自由な工夫が楽しめます。
木製なので比較的軽く、日常使いで持ち運びやすいのも魅力です。端材を活かした実用的な作品に仕上がります。
花台・インテリア台
花や小物などを乗せるための台も、一枚板の端材を活用しやすいアイテムです。
デザイン次第で雰囲気を大きく変えられるのが魅力で、凝った装飾を加えることも、直線的なパーツだけを使ってシンプルに仕上げることもできます。
積み木
木製の積み木は、温かみのある質感と心地よい手触りで人気の高いアイテムです。一枚板の端材を使えば立方体、直方体、角柱などシンプルな形を作るだけでも十分楽しめます。
既製品と違い同じものが二つとないため、積み上げるたびに異なる組み合わせや表情を楽しめるのも、端材ならではの魅力です。
棚
棚は、端材を活用したDIYの中でも人気の高いアイテムです。自由にサイズが調整できるため、設置場所や用途に合わせて世界に一つだけの棚を作ることができます。
比較的大きな端材が必要になりやすいというデメリットはありますが、世界で一つのオリジナルの棚が完成したときの喜びは大きなものです。
サイドテーブル・机
サイドテーブルや机も、一枚板の端材を活用して作れます。脚を取り付ける位置のバランスや、天板の平行さを確保する必要があるため製作の難易度は少し高めですが、その分完成したときの喜びもひとしおです。
ここまでご紹介したように、一枚板の端材は日常のアイテムとして取り入れやすい素材です。
一枚板家具の専門店「アトリエ木馬」では、一枚板の端材(当店では活用材と呼びます)で製作したさまざまな小物を取り扱っています。
店舗でもWebサイトでも販売していますので、ぜひチェックしてみてください。
また一部の店舗では、端材(活用材)をそのまま販売することもあります。ただし入荷する樹種はランダムなため、確実に入手したい場合はお近くの店舗までお問い合わせください。
一枚板の端材をDIY!加工・仕上げのコツ
一枚板の端材をDIYで活用する際には、以下の項目に気を付けましょう。思わぬ失敗をするリスクが低くなります。
木材の状態を確認する
最初に確認したいのが、端材の乾燥状態です。
木材は周辺環境の影響を受けやすく、周囲の湿度や気温が変わると反りや割れが発生します。基本的には、ある程度乾燥が進んだ端材を選ぶのがベターです。
反りや割れなどをデザインに組み込むこともできますが、強度が必要な小物や家具に使うのはリスクが高いです。生かしたい場合は荷重のかからない場所に使うなどの工夫を心がけましょう。
サンディングとオイル仕上げをしっかり行う
木材の加工が終わったら、サンディング(やすりがけ)とオイル仕上げを行いましょう。
仕上げの塗装にはウレタンとオイルがありますが、DIYではオイル仕上げが多いです。
サンディングは細かい傷やささくれを取り除いて見た目を良くしたり、角を丸くして接触時のけがのリスクを下げたりする効果があります。
基本的には、最初に番手の小さい(目の粗い)やすりで表面を平滑にして、その後徐々に番手の大きい(目の細かい)やすりに切り替えていきます。サンディング時には粉じんが発生するため、マスクで体を守りましょう。
オイル仕上げは木材の質感や木目を引き立たせます。また木材を湿気や乾燥から守る効果もあります。
原料や色などはオイルごとに異なるため、自分の作りたいイメージに合ったものを選ぶとよいでしょう。
個性的な形を活かすと“味”になる
端材の中にはそのままでは使いにくい形をしているものもあります。もちろんそれらを避けてなるべく形が整ったものを探すのもよいですが、あえて癖のあるものを使って唯一無二のフォルムを目指すのも楽しいものです。
曲がったもの、凹凸があるものをあえてデザインに組み込んでみると、味わい深い一品に仕上がるかもしれません。
ただし、反りや割れのある端材と同様に、荷重のかかる場所にいびつな形のものを使うのは避けましょう。
一枚板の端材の入手先
最後に、一枚板の端材をどこで手に入れられるのかを紹介します。
DIYのアイテムとして活用するためには、信頼できる入手先を押さえておくと安心です。
材木店・銘木店
一般的に材木店は幅広い木材を取り扱うお店、銘木店は特に質が高い木材を扱うお店です。
木材そのものだけでなく、店舗によっては加工した製品や家具を取り扱っている場合もあります。
市場から直接仕入れていることが多いため相場と比べて安価な傾向で、珍しい樹種に出会える可能性も高いです。
一方で、取り扱い品の多くは人の手がほとんど入っていない状態です。そのため、サンディングや塗装などの仕上げ加工を依頼する場合には追加料金が発生することがあります。
一枚板専門店
一枚板専門店は、その名の通り一枚板や一枚板を用いた製品を専門に取り扱う店です。
店舗ごとに取り扱っている樹木の種類は異なり、中には海外の樹木を豊富に取りそろえているところもあります。
一枚板のプロが選定した木材ばかりなので、端材と言っても品質も杢目も高品質な銘木がそろっています。
また店舗スタッフは木材だけでなく家具作りなどにも詳しいことが多いため、DIYやメンテナンスの方法について相談できるのもメリットです。
ホームセンター
ホームセンターで一枚板の端材を購入する大きなメリットは、豊富な商品の中から選べることです。配送サービスも併せて行っているところを選べば、大量に購入しても自分で持ち帰る手間がかかりません。
ただし、ホームセンターは一枚板を専門に取り扱っているわけではなく、店舗スタッフも必ずしも木材の専門知識を持っているとは限らないため、用途に合うかどうかは自分でしっかり見極める必要があるでしょう。
通販サイト
一枚板の端材は、通販サイトでも購入できます。大手インターネットショッピングモールには多くの業者が出店しており、材木店や銘木店などが独自の通販サイトを持っている場合もあります。
自宅まで届けてもらえることが大きなメリットで、近所に入手先がない場合には有力な選択肢です。
ただし、実物を見ずに購入することになるため、写真や説明書きをしっかりチェックすることが大切です。
Webサイトの写真と届く木目や色味には、違いがあるケースがあることも理解しておきましょう。購入前に口コミやレビューを確認し、信頼できるショップを選ぶと安心です。
インターネットオークション、フリマアプリ
インターネットオークションやフリマアプリには、一枚板の端材が出品されることがあります。材木店やホームセンターなどでは見られない珍しい樹種の端材や個性的な端材に出会えるかもしれません。
ただし個人出品者も多く、木材の状態や品質にばらつきがある点には注意が必要です。出品者の評価を確認したり、取引条件や商品の状態など気になる点があれば事前に質問したりして、納得した上で取引しましょう。
どこで購入するのがおすすめ?
一枚板の端材の入手先にはそれぞれメリットやデメリットがありますが、初心者の方には材木店・銘木店、または一枚板専門店がおすすめです。
これらの店舗が運営するインターネットショップを利用するのもよいでしょう。
専門店では木材に詳しいスタッフが多いため、用途や希望に応じた適切な端材について相談できる場合もあります。
価格は多少高めでも、品質の確かさやアドバイス、加工サービスといった安心感を得られるのは大きなメリットです。
まとめ
一枚板の端材は、唯一無二の一点物でありながら、比較的リーズナブルに購入できるのが大きな魅力です。
コースターやカッティングボード、花台、積み木など日常で使えるアイテムからインテリアまで幅広く活用できます。
材木店や銘木店、一枚板専門店なら知識の豊富なスタッフのアドバイスを受けながら、目的に合った端材を選べるでしょう。
一枚板家具の専門店「アトリエ木馬」の一部の店舗では、一枚板の端材(活用材)を取り扱っています。
また各店舗やオンラインショップでは、端材を利用して仕上げたインテリア小物のご用意もございます。
もちろん、一枚板の魅力が詰まったダイニングテーブルなどの家具も取りそろえておりますので、ぜひご覧になってみてください。