ナラ材とオーク材の違いとは?特徴・魅力を詳しく解説

家具やフローリングなどの木製品を選ぶとき、オーク材とナラ材の違いが分からず、迷ったことはありませんか?
ナラ材とオーク材は基本的に同じ種類の広葉樹の木材ですが、主に産地の違いによって特徴や名称が少しずつ異なります。
家具や内装材として使用する際は、違いを理解した上で選ぶのがおすすめです。
本記事では、ナラ材とオーク材の特徴や魅力、選び方のポイントについて詳しく解説していきます。
記事を参考に、ナラ材とオーク材の違いや性質を理解すれば、家具やインテリアを選びやすくなるでしょう。
この記事でわかること
ナラ材とオーク材はどう違う?
ナラ材とオーク材は、同じブナ科コナラ属の木材ですが、産地が違います。
また、オーク材の中でも以下の3つの種類に分かれています。
ナラ材は主に東日本、特に北海道で育ち、オーク材はアメリカ産(ホワイトオークとレッドオーク)とヨーロッパ産(ヨーロピアンオーク)です。
- ホワイトオーク
- レッドオーク
- ヨーロピアンオーク
ナラ材とオーク材は材質にも違いがあり、オーク材はナラ材よりも重くて硬いです。
また、ナラ材とホワイトオークは見た目が似ていますが、ナラ材の方が年輪が細かく、ホワイトオークは木目が粗いのが特徴です。
レッドオークは赤みがありますが、木によってそれぞれ色味が異なります。
ナラ材とは?
ナラ材は、ブナ科コナラ属の広葉樹から取れる木材のことです。
ナラの木は高さ20〜30メートルになる樹で、木の皮は灰色がかった茶色、葉の端はギザギザしていて秋に赤く色づくのが特徴です。
日本では、ナラ材の中でも主にミズナラが使われ、500〜1000年も生きる強い木として知られています。
ナラは日本以外にもアジア(中国、インド、タイなど)からロシア、ヨーロッパまで北半球の広い範囲に生育しています。
特に寒い地域に適しており、北海道産のナラ材は高品質と評価されている木材です。
ナラの樹種の特徴
ナラ材は、板目と柾目で異なる表情を見せます。
柾目には虎斑と呼ばれる虎の模様のような美しい杢が現れ、独特の風合いを醸し出します。外側は赤みがかった白色、内側は薄い茶色になっており、その境目ははっきりとしているのが特徴です。
湿度や温度の変化によって伸縮しやすいため、乾燥させる際には注意が必要です。適切に乾燥させないと、反りや割れが生じることがあります。
ナラ材は硬くて丈夫な木材のため、家具や床材に適しています。急激な温度や湿度の変化がない環境なら長く使えるでしょう。
ナラ材が活用されているもの
ナラ材は幅広い用途に活用されています。
適切に乾燥させれば温度や湿度による伸縮を抑えられ、耐久性や安定性にも優れるため、長期間利用できる木材として高く評価されているのです。
具体的にはテーブルや椅子、キャビネット、テレビボード、チェスト、サイドボードなどの木製家具の他、ソファーやフローリングに多く使用されます。
さらには、強度や質が求められるギターなどの楽器に使われることも。意外な用途としては、シイタケ栽培の原木にも利用されています。
ナラ材の家具は、シンプルでありながらも温かさを感じさせる北欧インテリアや、自然素材を生かしたナチュラルなインテリアとの相性が良いのが魅力です。
ナラ材の美しい木目と上品な質感は、空間に落ち着きと洗練された雰囲気をもたらします。
オーク材とは?
オークは、前述の通りナラと同じブナ科コナラ属の広葉樹です。
オーク材とは、オークの木から作られた木材のことを指し、その硬さと耐久性から家具や床材などに広く使用されています。
オークは、世界中に広く生育しており、主に北米、ヨーロッパ、東アジアなどに多く見られます。
ホワイトオークやレッドオークはアメリカやカナダなど北米を中心に生育しており、ヨーロピアンオークはヨーロッパが中心です。
オークの樹種の特徴
オーク材もナラ材同様に、板目と柾目で異なる表情があり、柾目には虎斑と呼ばれる虎の模様のような美しい杢が現れるのが魅力です。
家具やフローリングに使うと、その美しさが引き立ちます。これらの木目模様の魅力については、後半で詳しく解説します。
オーク材は他の木材より硬くて重く、重厚感があるのも特徴です。
オーク材の家具が半世紀以上にわたって使われている例もあるほど耐久性に優れています。色合いはウォールナットやチークよりも明るく、ナチュラルな雰囲気のお部屋によく合います。
オーク材が活用されているもの
オーク材は水に強く腐食や劣化しにくいことから、昔から船材として重宝されてきました。
さらに、オークに含まれるタンニンは、お酒の熟成に香りと味を与える成分として役立つため、ワインやウイスキーの樽としても定番です。
耐久性にも優れ、木目が美しいため、フローリングや壁、柱といった住宅建材・内装材にも多く活用されています。
その範囲は一般住宅のみならず、多くの人が集まる公共施設や商業施設にも利用されるほどです。
木材家具の素材としても定番で、オーク材のダイニングテーブルは、ナチュラルでありながら高級感があるため人気があります。
ナラ材とオーク材の共通の魅力
ここまでご紹介したように、ナラ材とオーク材は同じ種類の木なので、その特徴はよく似ています。
ここでは、あらためてそれぞれの木材共通の魅力をまとめてご紹介します。
耐久性・耐水性が高い
木材は、大きく広葉樹と針葉樹の2種類に分けられます。
ナラ材やオーク材は広葉樹に分類され、スギやヒノキなどの針葉樹に比べて硬くて丈夫です。物を落としたりこすれたりしても、傷が付きにくい性質です。
他にも水に強いという特徴もあります。
木材には水分を通す道管がありますが、ナラ材やオーク材はチロースという成分で道管が自然に塞がれているため、水の浸透を防ぎます。
そのため、キッチンや洗面所などの水回りでも使いやすいでしょう。
また、オーク材には虫を寄せつけにくくするタンニンも含まれているため、耐久性の高さにつながっています。
ただレッドオークは内部の管(道管)が詰まっていないため、水漏れを起こしやすく液体を保持する樽や容器には不向きといえるでしょう。
経年変化を楽しめる
ナラ材やオーク材は、長い年月にわたり使い込むほどその色合いが変化していく経年変化を楽しめます。
はじめは明るいベージュ系の色ですが、年月とともに徐々に深みのある黄金色へと変化し、独特の艶が現れるのが魅力の一つです。
こうした色合いの変化によって「味」が生まれることで、ナラ材やオーク材の家具や内装材は、存在感を保ちながらもインテリアに調和していきます。
そのため、長く使い続けるほど愛着が湧きやすい木材といえるでしょう。
色と木目が美しい
先ほども触れましたが、ナラ材やオーク材は共に切り出す方法によって異なる美しい木目が特徴です。
● 柾目(まさめ):丸太を放射状に切り出したときにできる、カーブを描く木目
● 板目(いため):丸太を水平に切り出したにできる、平行な線状の木目
柾目に切り出すと、木の放射組織が断面に平行に現れ、「虎斑(とらふ)」が強調されやすくなります。
虎斑は個性的な木目なので、魅力的に感じる人もいれば、シンプルさを好む人には派手に見えることもあります。
はっきりした木目が好みなら柾目、均一的でシンプルな木目が好みなら板目を選ぶとよいでしょう。
また、ナラ材とオーク材はベージュトーンから、赤みを帯びたものまで、バラエティ豊かな色合いもまた魅力のひとつです。
ナラ材やオーク材にはさまざまな表情があり、好みや用途に合わせて選べます。インテリアのスタイルや他の家具との調和も考えながら、自分の好きな木目や色を選びましょう。
ナチュラルなインテリアに馴染む
ナラ材やオーク材は、明るく自然なナチュラルカラーが特徴で、さまざまなインテリアスタイルに調和します。
特に、北欧風のインテリアやナチュラルテイストの空間づくりに取り入れることで、上質で心地よい雰囲気を演出できるでしょう。
ナラ材やオーク材のテーブルや椅子、ソファなどの家具は、空間に温もりと落ち着きを与えてくれます。
中でも一枚板で作られたダイニングテーブルは、木目の美しさをそのまま楽しめる上、個性的でありながらも空間になじみやすい家具です。
人とのつながりが深い木材
ナラ材やオーク材は、古くから人との深いつながりを持つ木材です。
ナラの木は、日本の縄文時代からどんぐりが実る木として知られ、それを粉にして主食として食べられていました。
さらに、ナラは広葉樹の中でも特に多くの葉を落とし、それが豊かな土壌を作り、栄養分が海に運ばれることで、恵まれた海洋環境の形成にもつながっていたのです。
オークの木も、北海道のアイヌ民族から「どんぐりを与えてくれる良い木」として崇められ、ヨーロッパのケルト民族やアメリカ先住民の間でも神聖な存在とされてきました。
古来より人々に食料と自然の恵みをもたらしてきたことに思いをはせると、ナラ材やオーク材の家具や建材に特別なぬくもりを感じられるでしょう。
まとめ
ナラ材とオーク材は同じ樹種でありながら、産地によって呼び名が異なります。
日本やアジア産のものはナラと呼ばれ、欧米産のものはオークです。
また、オークにはいくつかの種類かあり、その色が持つ魅力は少しずつ異なります。
どれも耐久性や耐水性に優れ、家具やフローリングとして広く使われています。
ナチュラルで温かみある質感が魅力で、経年変化によって味が増すためインテリアとして長く楽しめるでしょう。
また、木材を切り出す方向によっても印象が変わり、特に一枚板で作られた家具は世界に一つしかない独自のデザインとなるため、自分に好みに合ったものを選べるのも楽しみの一つです。
アトリエ木馬では、無垢の一枚板を使用した家具の専門店です。
ダイニングテーブルを中心に、デスク、カウンター、テレビ台など、職人が選んだ良質な木材を使い、一つひとつ丁寧に仕上げています。
自然な木の良さを生かした家具をお求めの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。











