一枚板天板の素材や木材はさまざま! 選び方やおすすめ5選をご紹介
一枚板天板とは巨木から切り出した木材を使用している無垢材の一種です。その大きさや形状から、主にテーブルの素材として活用されるのが一般的です。
しかし天然木をそのまま使うという一枚板天板の性質上、樹木の種類によって特徴や見た目、使用感などが異なります。
本記事では一枚板のテーブルを購入しようと考えている方のために、素材の特徴や性質についてご紹介します。
一枚板の家具を選ぶ際の注意点や一枚板とハギ板の違いなどについても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- 一枚板とハギ板の違い
- 一枚板に関する専門用語の解説
- おすすめ一枚板の樹種
一枚板とは?ハギ板との違いも解説
一枚板には独自の特徴や性質があるため、家具を購入する前に一枚板とは何かを確認することが大切です。
またここではハギ板との違いについても解説しています。
一枚板は巨木をスライスして切り出した板
一枚板とは100年から数千年以上という長い時をかけて育った巨木を、縦にスライスして切り出した板のことです。
表面や断面などに継ぎ目がなく、全てが単一の木材で構成されているので、接着剤などの化学薬品が含まれていません。
唯一無二で同じデザインの物が存在しないという貴重さや、高級感のあるデザインとなることから、人気がある素材です。
一枚板はテーブルやカウンターの天板として使用されることがほとんどですが、工芸品として刳り物や茶道用具として用いられる場合もあります。
ハギ板とは横方向にはいだ板
ハギ板は「幅はぎ材」とも呼ばれる木材で、木端面のみを貼り合わせて作られる大きな板です。
接着剤を使って形成されるものの、素材自体は木材なので一枚板と同様に無垢材として分類されます。
また一つひとつの木材が大きめなので、接合部分が少なく自然な見た目や質感を保つことから、一枚板と変わらない機能でありながら、値段を安く抑えられるのが利点です。
一枚板天板の家具を選ぶ際の注意点
一枚板天板の家具は天然の素材を使って作られているので、物によっては品質や特徴が変わります。
そのため注意点を把握した上で購入を検討することが大切です。
ここからは3つの具体的な注意点とそれぞれの詳細について解説します。
一枚板の専門用語を知っておく
一枚板に関する専門用語について知っておけば、こだわりたいポイントを明確にしやすく、自分に合った家具が見つかるでしょう。
まず一枚板天板の家具を選ぶ際に事前に覚えておきたいことは、板の製造や品質に関わる用語です。
例えば原木の中心線からずれた箇所へ、中心線と水平に鋸を入れると「板目」という木目の一枚板がとれます。
木材を切削して板状に加工することで、木の年輪の模様や木目の美しさを引き立てるために用いられる技術です。
またホールケーキをカットするように中心に向かって鋸を入れると、「柾目」という木目の一枚板が取れます。
さらには一枚板を構成する部位にも専門用語があり、板の樹皮側の面は「木表」、中心側の面は「木裏」と呼びます。
切株を上から見た際に、最も外周の部分で樹皮の内側に当たる部分は「耳」という名称です。
このように専門知識を知っておくことで、一枚板天板の家具を選ぶ際に理想としている形状や質などを高い精度で伝えられるだけでなく、店舗のスタッフとスムーズなやり取りや注文ができるでしょう。
一枚板の側面にこだわる
一枚板の長辺は木材が丸太の状態における表皮部分に当たり、縦方向にカットして一枚板を作りだすことで板の側面として残ります。
この部分は上述した「耳」のことで、ハギ板や集成材にはない質感と自然の美しさが感じられ、一枚板の独特な雰囲気を生み出すことが可能です。
側面部分は元の木材の良さを伝えるために、凹凸がありゴツゴツとした手触りの側面もあれば、表皮を削って表面をなめらかにしつつ模様の美しさを表す側面もあります。
一枚板の素材にこだわる
一枚板は木をそのまま切り出して加工するため、素材によって質感や色合いなどの見た目が異なります。素材にこだわる場合はその木が広葉樹か針葉樹かをチェックしましょう。
広葉樹は強度が高く耐久性がある他、硬く傷も付きにくいことが特徴です。そのため使用頻度の高いダイニングテーブルや、重い荷物を入れておけるえる収納家具に利用するのに向いています。
針葉樹の場合は構造的に柔らかく加工しやすい利点がある一方、一枚板の素材とするには耐久性やメンテナンスの面で広葉樹に劣る傾向にあります。
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一枚板天板におすすめな素材を5つご紹介
一枚板天板にはさまざまな木材が使用されますが、それぞれの特徴や強みが異なるため、自分にとって最適な木材を選ぶことが大切です。
下記で一枚板天板におすすめの5つの素材と、使用するメリット、注意点などを解説するので参考にしてみてください。
おすすめ素材①ウォールナット
一枚板天板の素材におすすめな木材としてまず挙げられるのが、ウォールナットです。
ウォールナットはクルミ科クルミ属の広葉樹の一種で、主要な産地はアメリカ北東部やカナダのオンタリオ州となっています。
また日本でウォールナットというと、ブラックウォールナットを指すのが一般的です。
ブラックウォールナットは木材や樹皮の部分などが紫がかった濃い茶色をしており、落ち着いた印象を与えます。
ブラックウォールナットを一枚板天板にすると高級感漂う仕上がりになる他、耐久性が高く傷つきにくかったり、衝撃に強く割れにくかったりするなど、実用性の面でも優れています。
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おすすめ素材②カエデ
カエデは落葉広葉樹の一種で、代表的な樹種はイタヤカエデやハードメープル、ソフトメープルなどです。
「メープル」とも呼ばれるカエデですが、木材業界においては樹種によって呼び方が異なります。具体的にはカエデは国産のイタヤカエデを指し、メープルは外国産のハードメープルやソフトメープルを指します。
カエデの特長は、表面に不規則な木目があることです。特に国産のイタヤカエデには、この特徴的な木目が顕著に現われやすくなります。
また長く使えば使うほどに味が出るのもカエデやメープルの特徴です。
元来の色味は淡い白といった感じですが、経年変化によって飴色のような褐色に変わります。
おすすめ素材③ポプラ
ポプラも一枚板天板の素材としておすすめの木材です。
木材業界においてはアメリカ東部やカナダで産出されるイエローポプラ、別名「アメリカンホワイトウッド」と呼ばれる樹種が用いられています。
ポプラの強みは柔らかく加工しやすい点で、一枚板天板に限らず木工用材として幅広く使われています。さらに成長が早く安定した供給があるため、値段が安いのもメリットです。
見た目は白を基調としていて癖がなく、和洋どちらのテイストとも相性が良いです。また柔らかく加工しやすかったり塗装の色乗りがよかったりする特徴もあるので、自分好みの見た目に仕上げられます。
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おすすめ素材④クス
クスはクスノキ科ニッケイ属の常葉高木であり、台湾、中国、ベトナムといった暖地の他、日本でも九州地方に多く分布しています。
クスは1000年以上生きる場合もある長寿な樹種であり、1年を通して葉を付ける様から日本では縁起の良い木としても知られています。
素材という観点でも耐久性が高く頑丈で、独特の匂いによって防虫効果もあり優秀です。日本でも育ちやすいので調達がしやすく、値段も安価な傾向にあります。
はっきりとした木目が大きく現れるため、一枚板天板にすると空間に明るい印象を与えてくれるでしょう。色味は黄褐色や淡い褐色の物が多く、温かみのある柔らかな雰囲気を演出できます。
おすすめ素材⑤トチ
トチも一枚板天板として使うのにおすすめの木材です。
トチは日本を原産とする樹木で、北海道や東北地方などの寒い地域を中心に日本全国に分布しています。
一枚板天板の素材にトチを使うメリットとして挙げられるのが、木材の表面に現れる模様が他の樹種よりも豊かなことです。
トチの模様は「杢目(もくめ)」と呼ばれ、一般的な木の模様である年輪とは異なり複雑な模様で美しい見た目をしています。
さらに同じトチでも部位によって色合いが変わるのも特徴です。黄色や白色の他、赤みがかった褐色などもあります。
まとめ
一枚板天板の家具は使用する素材によって品質や特徴が変わる他、使い心地や質感も異なってきます。そのため自分の適切な素材や用途に合った商品を選ぶことが大切です。
無垢一枚板家具専門店の「アトリエ木馬」では原木の買い付けから一枚板の製造までを一貫して行っており、安定した品質でお客さまにご提供しています。
一枚版天板を使ったテーブルをメインにベンチやテレビボード、シェルフや表札など、さまざまな家具を取り扱っているので、アトリエ木馬のご利用をぜひご検討ください。