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生きることは選択の連続

生きることは選択の連続

突然ですが、私はイラストレーターの横尾忠則さんという方が好きです。2000年以降の氏は「Y字路」に凝っており、作品は写真も絵もただひたすらにY字路です。実は、この路線になってからはあまり関心がないので、コンセプト云々は詳しく存じません。だいぶ前に某O阪芸大で開催された講演会を拝聴しましたが、あまり記憶に残っておりません。

クラロクロッチ ~クラロウォールナット~

  • 堀江ギャラリー展示中のクラロクロッチの一枚板テーブル

さて、そんなY字路にそっくりな一枚板が当堀江ギャラリーにあります。

その名も「クラロクロッチ」です。これはクラロウォールナットという樹種です。

クラロウォールナットは、北米のブラックウォールナットに英国のイングリッシュウォールナットを接ぎ木した樹木で、その拒絶反応から不規則な杢目がでやすいことと、成長が遅いことで知られています。

そのため真っすぐで幅広く育ったそれは非常に希少で、まさにコレクターも欲しがるような一枚と言えるでしょう。

200年以上生きた木

  • クラロクロッチ一枚板

一枚板のもとになる木は、厳しい自然界で少なくとも200年以上生きていたとされています。

そのような環境下で刻まれた木目には、人為的にはなしえない色と模様が含まれます。

パソコン作業やその他のお仕事をしている最中、ふと手を止めて木目を見つめてみるのも良い気分転換になるかもしれません。

そういえば、かつて公立の小学校や中学校の机は天然木が使われていました。

彫刻刀で文字を彫っていた人などもいましたが、みなさまの時代はどうだったでしょうか。

いまは樹脂素材の机が多いと聞きますが、個人的には少し味気ないような気もします。

とにかく長持ちします

  • クラロクロッチ一枚板

今回のクラロウォールナットはその外観のインパクトも大きいですが、美しく入り組んだ杢目が特徴です。

見れば見るほどに不思議な気持ちになる渦巻は一晩中見つめることで、どこか他の平行世界へ旅行できそうです。

思えば、Y字というものは「右か」「左か」の選択を強いるものでもあります。

どちらかを選択することで、もう一つの起こり得た可能性を永遠に捨て去る場所でもあるのです。

人生とは選択の連続ですが、その象徴としてY字のテーブルを導入してみてはいかがでしょう。

平穏な日常にあふれる「選択」という行為にリアリティが出るかもしれませんよ!

冒頭の某O阪芸大講演会の折に、たまたま通路で横尾氏と出会いました。せっかくなので「握手してください」とお願いしてみましたが、「あとにしなさい」と言われました。あれからもうじき25年経ちますが、いまだに「あと」はおとずれていません。良い思い出です。

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