パープルハートとは？木材としての魅力・特長について解説

パープルハートは熱帯性のマメ科の広葉樹で、樹木は高さ40ｍ以上・直径0.6～1.2m程の大きさに成長します。

パープルハートの最大の特徴は、木材の持つ色です。

鮮やかな紫色から、寄木細工などの工芸品や彫刻などの装飾材として、多く用いられています。

重硬な上に、樹脂を多く分泌する事があるため、製材中に刃先が鈍くなる事があり、比較的加工は難しい木材ですが、耐久性や防虫性加工に優れているため、家具や建築物の内装材にも最適な種類と言えます。

主な産地

パープルハートは、中南米からブラジル南部の熱帯地域が主な産地です。

地球上の熱帯地域には生物の過半数が生息しているといわれ、樹木においても、この中南米だけで数万種が存在しているといわれています。

また、熱帯地域に生息する樹木は、種類の豊富さだけでなく、個性豊かな特徴をもったものが多数存在しており、パープルハートもその中の一つと言えます。

主な用途

パープルハートは内装材、家具、化粧単板、彫刻など、主にその紫色の美しい色調を活かした場面で使用されています。

万年筆やペン、お箸や名刺入れなど、小さな雑貨にも使われることが多いです。

その他、特殊な用途としては体育用具、ダイビングボード、スキー、ビリヤードのキューなど、様々な場面で活躍している木材です。

パ―プルハートの木材としての特長をご紹介いたします。

いずれも家具に使用する上で、大きなメリットとなるものばかりで、唯一無二の魅力を生み出します。

パープルハートはどのような特長がある木材なのか解説するので、家具選びに悩まれている方は、ぜひ参考にしてみてください。

鮮やかな紫色の材面

前述してきたように、パープルハートの最大の特長は、他に類を見ない鮮やかな紫色の材面です。

実は、最初からこの鮮やかな紫色ではなく、製材直後はくすんだ灰色のような色合いです。

空気に触れ酸化することで、みるみるうちに鮮やかな紫色に変化していき、パープルハートならではの色合いになっていきます。

なお、加工後は経年で濃い紫褐色に変わっていき、渋みが増していきます。

使えば使うほど周りの家具やインテリアに馴染んでいくので、その経年変化もパープルハートの楽しみの一つでもあります。

心材と辺材の色の差

鮮やかな紫色と並んで特徴的なのが、中心である心材と外側の辺材の色の差。

心材が個性的な紫色であるのに対し、外側は黄みがかった白色です。

これは、ブビンガやモンキーポッドなど、他の熱帯地域に生息する樹木にも見られる特徴で、日本の木ではこういった色の差は見られません。

個性的な紫色が特徴であることから、家具としてのコーディネートが難しいと思われがちなパープルハートですが、外側が薄い色合いであることによって、意外と様々な色合いのインテリアとも相性が良い種類です。

パープルハートの一枚板テーブルの場合は、ウォールナットなどの茶系のチェアと相性が良いのはもちろん、オーク系のナチュラルな色のチェアも明るい印象になりおすすめです。

硬くて丈夫

パープルハートは硬くて加工が難しい木材ではありますが、その分丈夫なことから、家具には最適な種類と言えます。

日本の木などに比べて、少しの衝撃では傷は付きにくいです。

また、乾燥中や乾燥後の劣化や狂いがほとんど見られないため、一枚板などの無垢材の場合でも、反りや割れが発生しにくいことも特長です。

その特長から、フローリングなどの内装材にも向いています。

モダンな空間を演出してくれる

特徴的な紫色から、家具として取り入れると、個性的でモダンな空間を演出してくれます。

特にパープルハートの一枚板テーブルの場合は、合わせる脚やチェアをブラック色などシックな色合いのもので合わせると、ぐっと空間が引き締まり、上質な空間を作ることができます。

他の樹種では出せない色合いのため、お洒落で、かつ人と被りたくないインテリアを目指したい方にはぜひおすすめしたい種類です。

紫色は、昔から「皇族」「贅沢」の色と考えられており、高貴なイメージのある色です。

特に、着色ではなく、自然の色みであるパープルハートの紫色は、より上質で高級感を演出できる材質と言えます。

パープルハートの一枚板テーブルと一言に言っても、それぞれ杢目や色味が異なり、唯一無二の存在です。

ぜひ実物の色味をご覧頂き、お気に入りの一枚板家具を探してみてはいかがでしょうか？