更新日:2024.10.08
ウォールナット材とは?木材の特徴と家具に使用するメリット・デメリットを解説
ウォールナットは、世界三大銘木にも数えられる人気の木材。
家具はもちろん建材や楽器など幅広い分野で使われています。
何より魅力的なのが、独特の高級感ある深い色合いです。
ウォールナット色という塗料があるほど、広く愛されています。
数ある樹木の中でも知名度の高い木材ですが、どのような材なのか詳しくわからない方も多いでしょう。
ここではウォールナットの木材としての特徴や、家具に使用するメリット・デメリットを解説します。
家具選びの際にどの木材の製品を選べば良いか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- ウォールナットの特徴
- 家具にウォールナットが選ばれる理由
- ウォールナット材のメリット・デメリット
ウォールナットとは?木材としての特徴
ウォールナットはクルミ科クルミ属の広葉樹で、アメリカ北東部やカナダのオンタリオ州などが主要な産地です。
ブラックウォールナットやアメリカンウォールナットとも呼ばれ、日本でウォールナットといえばブラックウォールナットを指すのが一般的です。
ブラックと呼ばれるように木材・樹皮ともに暗い色をしています。
特徴的な深い色は、紫がかった濃い茶色で、高級感を漂わせます。
頑丈さや狂いのなさなど、家具材に適した特徴も合わさって、ヨーロッパでは古くから高級木材として愛されてきました。
世界三大銘木の一つに数えられる
ウォールナットは機能性の高さ・美しさの両面から、チーク・マホガニーと並ぶ世界三大銘木の一つです。
いずれも人気の樹種で、希少性の高い木材ばかりです。
中でもウォールナットはツヤや深い色合い、整った木目など、美しく耐久性も高いため、高級家具やフローリングなどの建材、楽器、工芸品などの材料に使われています。
成長が遅く希少価値が高い
ウォールナットは世界的に人気で需要が高いにもかかわらず、成長が遅いため希少価値の高い木材です。
家具や建築などに利用できる大きさに成長するまで、百年単位の年月が必要と一般的にいわれています。
成長したウォールナットのなかから家具として利用できるものを選出すると、さらに希少価値は増すでしょう。
例えば、ダイニングテーブルの天板に使用する一枚板は、樹齢はもちろんですが「木がまっすぐに成長していること」や「製材時の乾燥工程で割れないこと」などをクリアしなくてはなりません。
このように成長が遅いことに加え、全ての木材を使用できるとは限らないため、ウォールナットは入手困難かつ希少価値が高い木材といえるでしょう。
また、年々価格も高騰しており、今後もウォールナットの希少性はますます高まることが予想されます。
ウォールナット材を家具に使用する6つのメリット
ウォールナットは数々のメリットから、多くの人に愛されてきました。
ウォールナット材を家具や一枚板テーブルに使用する6つのメリットを紹介します。
高級感ある深い色合い
ウォールナットの最大のメリットともいえるのが、高級感ある深い色合いです。
他の木材にはない紫がかった濃い茶色は、高級感があり家具にすると大きな存在感を放ちます。
その人気は、塗装でウォールナットに近い色合いにしている家具もあるほどです。
また、辺材は白っぽいため、色の濃淡から、ウォールナット材ならではの美しいマーブル模様が生まれます。
塗装や着色でマーブル模様を完璧に再現するのは難しく、ウォールナットの価値をより高めています。
加えて塗装性が高いのも特徴で、塗装を施すと美しく仕上がる木材です。
木目がまっすぐ整っている
木目がまっすぐ整っており、美しいのもウォールナットのメリットです。
ウォールナットの木はまっすぐに成長するため、まっすぐ整った奇麗な木目を生み出すのがほとんどです。
また、部分的に生まれる波状や巻毛状の木目が、まっすぐな木目と混じり合うことで、美しい表情を作り出します。
家具に加工すれば、整った美しい木目が部屋を彩ってくれるでしょう。
耐久性が高く傷や凹みに強い
耐久性が高く、傷や凹みが付きにくいことも木材としての魅力といえるでしょう。
ウォールナットは頑丈な広葉樹に分類されることもあり、密度が高く耐久性の高い木材。
傷や凹みに強いことで知られます。
例えば一枚板テーブルのように天板に用いれば、物を落としたり食器を置いたりしても、お気に入りの家具に傷や凹みが付く心配がありません。
小さい子どもやペットがいる家庭でも、問題なく使用できます。
耐衝撃性が高く割れにくい
ウォールナットは、丈夫なだけではなく耐衝撃性にも優れた割れにくい木材です。
衝撃を受けても割れにくい性質を活かして、ライフル銃の銃床にも使われています。
また、その特性からフローリング材に採用されることもあります。
何らかの衝撃を受けても割れにくいので、家具として長く愛用しやすい木材です。
温度や湿度で変形しにくい
温度や湿度の影響を受けにくいのもウォールナットの利点です。
一般的に木材は温度や湿度の影響を受けやすく、特に無垢材は温度が低くなると収縮したり、湿度が高くなると膨張したりと変形しやすいものです。
こうした温度・湿度の変化による収縮・膨張は、反りや歪み、割れなどにつながります。
特に湿気の多い梅雨の時期や気温が下がる冬などは、無垢材にとって変形しやすいバッドコンディションな時期です。
しかしウォールナット材は温度や湿度の影響を受けにくいため、ほとんど変形しません。
そのため、家具のゆがみや変形につながりにくいというメリットがあります。
表面が滑らかで触り心地が良い
ウォールナットは表面が滑らかで、触り心地が良いことから家具としての質感の魅力もあります。
ダイニングテーブルの天板など、日常的に触れる家具に使用すると、気持ち良く生活できるでしょう。
また使い込むことで磨かれ、段々とより滑らかな質感になっていきます。
ウォールナット材を家具に使用する3つのデメリット
多くのメリットがあるウォールナット材ですが、デメリットもあります。
希少なため価格が高い
大きなデメリットとして挙げられるのが、希少価値と人気の高さから価格が高騰していることです。
成長スピードが遅く木材として利用できるまで時間がかかることに加え、需要が高いことから入手が困難です。
ウォールナット材を使用した家具はどうしても費用が高くなる傾向にあります。
特にダイニングテーブルの天板のような、一枚板を大きく使う家具は高価になりがちです。
「素敵な木材の家具を購入したいが、できるだけ費用は抑えたい」という場合は、ほかの木材も検討してみるのも良いかもしれません。
深い色合いが明るく経年変化する
ウォールナットの持ち味である深い色合いは、年月が経つと段々明るくなっていきます。
木材は色が経年変化するのが特徴で、年月とともに色が濃くなるのが一般的です。
しかしウォールナット材の場合は、徐々に黒味・紫味が抜けていき、全体的に色が明るくなっていきます。
経年変化は木材製家具の醍醐味ですが、深い色合いを気に入ったのであればデメリットにもなります。
経年変化は紫外線により、ウォールナット内のタンニンが酸化することで起こる現象です。
太陽光がよく当たる場所ほど変化しやすいため、経年変化を避けたいのであれば日光には注意が必要です。
また家具の中で日光に当たる場所・当たらない場所ができると、一部分だけ経年変化してしまう可能性も。
ウォールナット材の家具を使用する場合は、日当たりに要注意です。
汚れやシミが目立ちやすい
汚れやシミが残りやすく、目立ちやすいのもデメリットです。
例えば食事中に食べ物や飲み物をこぼすと、シミが残るかもしれません。
汚れたらできるだけ早く拭き取りましょう。
小さい子どもやペットがいる場合は、ランチョンマットを敷いたり、カバーを付けたりといった対策をすると良いでしょう。
また汚れが目立ちやすいのもポイント。
深く暗い色合いをしているので、ホコリや糸くずが白っぽく見え目立ってしまいます。
神経質な方やこまめに掃除しない方は、汚れの目立ちが気になるかもしれません。
ウォールナット材は深い色合いが高級感漂う希少な木材
世界三大銘木の一つであるウォールナット材は、深い色合いやまっすぐな木目、頑丈さなどから、多くの人に愛されてきた木材です。
ダイニングテーブルやテレビボード、椅子などの家具に用いれば、一気に高級感溢れる部屋になるでしょう。