人気樹種紹介 カバ
普段家具屋さんでは、「カバ」という樹種を使った家具を目にすることは少ないかと思いますが、アトリエ木馬のような一枚板屋や木材店では、この「カバ」を取り扱っていることもあります。
では、カバという木は一体どのような特徴があるのでしょうか。
また、木材のプロでも勘違いしているカバの豆知識も一緒にご紹介させて頂きます。
この記事でわかること
- カバの特徴
- カバとサクラの関係
- カバ一枚板テーブルのコーディネート
カバ類の仲間
いきなりですが、早速豆知識。ここでカバのことをしっかりと知ることで、一枚板選びの幅が広がるでしょう。
木材にはカバだけでなく、全ての木材に〇〇科という分類分けがあります。簡単に言うと、似ている種類のチーム分けです。
カバはカバノキ科という分類になるのですが、このカバノキ科チームが少しややこしいのです。まずネットなどで検索すると「ザツカバ」という種類が出てきます。
「ザツカバ」と「カバ」の違いは?となると思います。ザツカバという木は実はなく、カバ類の材のことを総称して呼んでいるのです。
ここでポイントとなるのがアトリエ木馬でも多く取り扱っている「マカバ」や「ミズメ」もカバノキチームにいるのですが、このザツカバという総称から除かれています。それが次に繋がる「サクラ」との関係になります。
カバとサクラ
木材の呼び名は我々プロでも知らないこと、難しいことが多々あります。
その中のひとつとして、実はカバはサクラと材質や見た目の雰囲気が似ている為、市場ではカバがサクラの名前で流通することがあります。
ここで先程のカバノキチームなのに「ミズメ」が除かれている理由として市場では「ミズメザクラ」としての呼び方が定着している為、「ザツカバ」としての総称に入らなくなったのです。
一枚板の選び方
一旦豆知識は休憩しましょう。それでは皆様が一番気になる一枚板の選び方についてのアドバイスです。
アトリエ木馬では、店内にたくさんの一枚板を仕上げた状態で展示しております。スペースの関係上、立てかけている一枚板の後ろはどうしても表情が分かりません。
「店員さんに声を掛けるのは悪いし」などは考えずご遠慮なくお申し付け下さい。
先ほどのように表記はカバだけど、ミズメザクラと木目が似ているなど木の名前だけでは分からない部分がたくさんあります。
ということでここでのアドバイスは「一枚板選びは遠慮をするな!」です。
魅力的なカバ
カバの豆知識、一枚板選びのアドバイスを知った上でカバの木の特徴は?となると思います。カバだけでなく関係性の深いサクラの木と併せてご紹介させて頂きます。
カバは上質なピンク系統の色合いで、時間が経つとやや飴色の経年変化を持つ種類となります。
心材と辺材部分の境目は分かりにくく、全体的に統一感のある木目となります。また木目の目が細かくマカバに似ているのもポイントです。カバはマカバほど高価ではないので、一枚板選びでも重要な価格面での後押しもしてくれる種類となります。
カバコーディネート
全体的に明るく統一感のある雰囲気を持っているカバは、お部屋を明るく演出したいという方にオススメ。
床材と色味を合わせても良いですが、こちらのお客様のように床は反対色のウォールナットですが、天板をカバにすることにより重々しくなく一枚板が際立ってみえるコーディネートもオススメです。
またカバは経年変化が起こりにくく長年使い続けたとしても購入時と同じ雰囲気を保ってくれるのも、他の樹種とまた違った楽しみ方ができる種類となっています。
カバの語源
それでは最後にもう一つ豆知識。こちらは雑学なのでゆったり読んで頂ければと思います。
木材の名前を決める際には、よく過去の歴史やどのようにその木材が使われていたかなどから語源になっていることが多いです。カバの産地は北海道で昔アイヌ民族が弓や矢筒(矢を入れる筒)などに巻いて使用していました。その使用していた樹皮を現地では「カリンパ」と呼んでいたそうです。古語(言語が変化する前の言語)では「かには」と呼ばれておりそこから「カンバ」という言葉に転じたと言われております。カバは植物学的な登録としては「カンバ」ともあるのでその言葉が最終的にカバになったという云われがあるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。カバだけでなく一枚板それぞれの樹種には様々な豆知識があり、深く知れば知るほど面白い要素はたくさんあります。
一枚板をご検討の方は木目の表情だけでなく、その木の裏側に隠された意味や歴史も是非楽しんでみて下さい。
そしてあらためて思うことは木にも歴史があり、樹齢何百年と生きた木材を現在の我々が贅沢にテーブルとして使用できることが本当に贅沢だと感じます。
木材×アトリエ木馬の技術で生まれ変わった一枚板テーブルを是非ご覧下さいませ。