一枚板とブックマッチの違いは? それぞれの魅力を解説
木材の魅力を感じられるテーブルとして、一枚板テーブルとブックマッチテーブルが挙げられます。
両者共に自然を感じられる木材を使用したテーブルですが、それぞれがどのように違うのか、分からない方もいるではないでしょうか。
そこで今回は一枚板とブックマッチの違いについて解説します。
またそれぞれの魅力も詳しく紹介しているので、どちらを選ぶか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
魅力的な耳付きテーブル
テーブルとして人気が高い耳付きテーブルですが、どのようなテーブルを耳付きテーブルと呼ぶのでしょうか。
木における耳とは、丸太の中でも木の表皮に限りなく近い部分のことです。
木を製材する場合、木の表皮をはがすと、ボコボコした面が出てきます。
製材の技術によってボコボコした面を平らにならすことはできますが、自然味が残るよう、平らにならさずにそのまま使用するケースがあります。
その残されたボコボコの面が、木の耳です。
木の耳には同じものが存在しません。
木の耳からは、木が自然物であることや自然の雄大さ、美しさを感じられます。
このような耳が付いているテーブルを、耳付きテーブルというのです。
耳付きテーブルの種類は3種類
一般的に耳付きテーブルと呼ばれるものには、以下の3種類があります。
- 一枚板テーブル
- ブックマッチテーブル
- 耳付き接ぎテーブル
一枚板テーブルとは、丸太から切り出した大きな一枚の板によって作られるテーブルです。
圧倒的な存在感があり、インテリアコーディネートのメインに据えられます。
木目の表情や木の厚みといった、本来のままの美しさを楽しめます。
ブックマッチテーブルとは、1本の丸太から切り出した2枚の板を、裏表でつなぎ合わせた天板を使用したテーブルです。
木が持つ美しさにデザインをプラスされることで、洗練された雰囲気を醸し出せるのが魅力で、自然さに加えて都会的な雰囲気となることから、幅広い人気を集めるテーブルとなっています。
耳付き接ぎテーブルとは、いくつかの板を接ぎ合わせた天板が使用されたテーブルです。
ナチュラルなデザインで、どのようなインテリアにも合わせやすい特徴があります。
一枚板とブックマッチの違い
一枚板とブックマッチの共通点は、一つの原木から切り出された板材を使用する点です。
ただし、一枚板は一枚の大きな板を使用し、ブックマッチは2枚の板を裏表で継ぎ合わせている点で異なります。
次の章では、一枚板とブックマッチについてそれぞれ詳しく解説します。
一枚板とは
一枚板とは、数百年から数千年の時間をかけて育った、大きな木を縦方向にスライスして切り出す板のことです。
切り出したままの状態でも、高さや厚み、幅などが十分にあり、ダイニングテーブルや飲食店・バーなどのカウンター、家具の材料として使用されます。
自然さや美しさ、雄大さを感じられる他、継ぎ目が一切ないのが特徴であり、人気の理由です。
一枚板は世界各地で生産・加工されていますが、日本国内でも木材産業が盛んな地域などで、一枚板が生産・加工されています。
一枚板の特徴の詳細は次の章で解説しますが、希少価値が高いため、高い人気を集めています。
一枚板の特徴
一枚板の特徴は、以下の通りです。
- 長い年月を経て作られる
- 唯一無二の表情を持つ
それぞれ詳しく解説します。
長い年月を経て作られる
一枚板の特徴は、長い年月を経て作られることです。
一枚板として使用できる樹木になるまで成長するには、長い年月が必要です。
一般的には100年程度の年月をかけて育った樹木を使用します。
中には樹齢200年を超える樹木から一枚板を切り出すこともあります。
また長い年月をかけて育つ過程において、厳しい自然環境で強風や嵐、雷、火災、台風などの自然現象や自然災害を乗り越えられる樹木は少なく、一枚板として使用できるような良好な木はさらに少なくなります。
幅が広い一枚板が切り出せる原木は希少な存在であるため、一枚板には価値が付きやすいのです。
唯一無二の表情を持つ
一枚板の特徴として、他にはない唯一無二の表情を持っていることが挙げられます。
一枚板といっても、樹種によって表情が異なる他、同じ樹種であっても同じものは一つとしてありません。
長い年月をかけて成長した巨木から切り出される一枚板の個性は、それぞれ異なるのです。
一枚板のテーブルは、その木の長い成長の過程を木目や手触り、存在感を通して楽しめます。
また一枚板では杢目の違いも特徴的です。
杢目とは特殊な木目のことで、自然から何らかの影響を受けることで現れます。
一枚板の模様として他にはない杢目を楽しむのも、一枚板を生活に取り入れる魅力といえるでしょう。
ブックマッチとは
ブックマッチとは、同じ樹木から切り出した2枚の板を、板目を左右対称に並べ、原木を開いただけの状態のように接いだものです。
木目が左右対称となり、本を開いたときのイメージで並べられているため、ブックマッチと呼ばれます。
次の章では、ブックマッチの特徴を詳しく解説します。
ブックマッチの特徴
ブックマッチの特徴は以下の通りです。
- シンメトリーの木目が美しい
- 職人の技術が必要不可欠
- 希少性が高い
それぞれ詳しく解説します。
シンメトリーの木目が美しい
ブックマッチの特徴は、左右対称の木目の美しさです。
ブックマッチ天板では、1つの樹木から切り出された板材を、裏表に接ぐことで木目が左右対称となります。
心理学では、ゆがみのないものに対して美しさや安定性を感じるといわれており、これをシンメトリー効果と呼びます。
左右対称の木目が現れるブックマッチでも、シンメトリー効果を感じられるでしょう。
また高齢木の力強い木目が左右対称になっているのは芸術性を感じられる他、天然の杢によるゆらぎとシンメトリーによって、癒しや美しさを兼ね備えます。
洗練された雰囲気を味わいたいなら、ブックマッチ天板のテーブルをインテリアの主役に据えてみましょう。
職人の技術が必要不可欠
ブックマッチの特徴として、職人の技術が欠かせないことが挙げられます。
前述の通り、ブックマッチでは左右対称の木目に美しさを感じられますが、美しい左右対称を実現するのは困難です。
大きなブックマッチを作成するには、サイズのある木が必要になる他、左右対称の木目が現れる板を厳選しなければなりません。
また製材後には反りやねじれを防ぐために、数年程度の自然乾燥の期間を設ける必要があり、2枚の板を同じ環境において対称性を保たなければならないのです。
そのため製材や板材の選択、管理などにおいて、職人の高い技術が要求されます。
希少性が高い
希少性が高いのも、ブックマッチの特徴です。
前述の通り、ブックマッチを制作するには、高い技術に加えて、長い年月がかかります。
また美しいシンメトリーの木目が出る板を厳選する必要があることから、ブックマッチとして制作された時点で、製品の希少性がかなり高いことが分かります。
数が少ないことも、価値が高く、人気を集める理由です。