更新日:2024.05.30
カバとは?木材の特徴や歴史を解説
普段家具屋さんでは、「カバ」という樹種を使った家具を目にすることは少ないかと思いますが、一枚板専門店や木材店では、この「カバ」を取り扱っていることもあります。
では、カバという木は一体どのような特徴があるのでしょうか。
また、木材のプロでも勘違いしているカバの豆知識も一緒にご紹介させて頂きます。
この記事でわかること
- カバの特徴
- カバとサクラの関係
- カバ一枚板テーブルのコーディネート
カバはどのような木?
産地
日本のカバ(樺)の主な産地は北海道です。
北海道は寒冷な気候が特徴であり、カバの自生地として適しています。
特に北海道の森林地帯や山岳地域において、カバの木々が広く見られます。
カバの木は、種類は異なりますが海外でも生息しています。
北半球の寒冷な地域に広く分布しており、主な産地としては、北アメリカのカナダやアメリカ合衆国、ヨーロッパのロシアやスカンジナビア諸国が挙げられます。
特にカナダの北部やロシアのシベリア地域では、カバの森林が広がっています。
カバは耐寒性があり、その美しい白い樹皮や木目が木材や工芸品として利用されています。
用途
カバの木材は軽量でありながら強度があり、加工しやすいため、家具や建築材料、床材などの様々な用途に利用されます。
また、美しい白い樹皮や木目が特徴的なことから、彫刻や木工、節句道具などの工芸品にも利用されます。
珍しいところだと、カバの樹液や樹皮のエキスは、化粧品や食品にも使われています。
木目
カバは上質なピンク系統の色合いで、時間が経つとやや飴色の経年変化を持つ種類となります。
心材と辺材部分の境目は分かりにくく、全体的に統一感のある木目となります。
また木目の目が細かくマカバに似ているのもポイントです。
カバはマカバほど高価ではないので、一枚板選びでも重要な価格面での後押しもしてくれる種類となります。
カバの木についての豆知識
ここでは、カバの木についての豆知識をご紹介。
ここでカバのことをしっかりと知ることで、一枚板選びの幅が広がるでしょう。
カバとザツカバの違い
木材にはカバだけでなく、全ての木材に「〇〇科」という分類分けがあります。
簡単に言うと、似ている種類のチーム分けです。
カバは「カバノキ科」という分類になるのですが、このカバノキ科チームが少しややこしいのです。
まずネットなどで検索すると「ザツカバ」という種類が出てきます。
「ザツカバ」と「カバ」の違いは?となると思います。
ザツカバという名前の木は実際は存在せず、カバ類の材のことを総称して「ザツカバ」と呼んでいるのです。
ここでポイントとなるのがアトリエ木馬でも多く取り扱っている「マカバ」や「ミズメ」もカバノキチームにいるのですが、このザツカバという総称から除かれています。
それが次に繋がる「サクラ」との関係になります。
カバとサクラ
木材の呼び名は我々プロでも知らないこと、難しいことが多々あります。
その中のひとつとして、実はカバはサクラと材質や見た目の雰囲気が似ている為、市場では「カバ」が「サクラ」の名前で流通することがあります。
ここで先程のカバノキチームなのに「ミズメ」が除かれている理由として、市場では「ミズメザクラ」としての呼び方が定着している為、「ザツカバ」としての総称に入らなくなったのです。
カバの語源
木材の名前を決める際には、よく過去の歴史やどのようにその木材が使われていたかなどが語源になっていることが多いです。
カバの産地は前述の通り北海道ですが、昔アイヌ民族が弓や矢筒(矢を入れる筒)などに巻いて使用していました。
その使用していた樹皮を現地では「カリンパ」と呼んでいたそうです。
古語(言語が変化する前の言語)では「かには」と呼ばれており、そこから「カンバ」という言葉に転じたと言われております。
カバは植物学的な登録としては「カンバ」ともあるのでその言葉が最終的にカバになったという云われがあるのです。
カバ一枚板テーブルを使ったコーディネート
ここでは、実際にアトリエ木馬でカバの一枚板テーブルをご購入頂いたお客様の納品事例をご紹介します。
全体的に明るく統一感のある雰囲気を持っているカバは、お部屋を明るく演出したいという方にオススメ。
床材と色味を合わせても良いですが、こちらのお客様のようにウォールナット色の床に、明るい色味のカバ一枚板テーブルを合わせることにより、重々しくなく一枚板が際立ってみえます。
またカバは経年変化が起こりにくく、長年使い続けたとしても購入時と同じ雰囲気を保ってくれるのも、他の樹種とまた違った楽しみ方ができる種類となっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。カバだけでなく一枚板それぞれの樹種には様々な豆知識があり、深く知れば知るほど面白い要素はたくさんあります。
一枚板をご検討の方は木目の表情だけでなく、その木の裏側に隠された意味や歴史も是非楽しんでみて下さい。
そしてあらためて思うことは木にも歴史があり、樹齢何百年と生きた木材を現在の我々が贅沢にテーブルとして使用できることが本当に贅沢だと感じます。
最後に、一枚板の選び方についてのアドバイスを一つ。
アトリエ木馬では、店内にたくさんの一枚板を仕上げた状態で展示しております。スペースの関係上、立てかけている一枚板の後ろはどうしても表情が分かりません。
「店員さんに声を掛けるのは悪いし」などは考えずご遠慮なくお申し付け下さい。
前述のように、表記はカバだけどミズメザクラと木目が似ているなど木の名前だけでは分からない部分が一枚板にはたくさんあります。
ということでここでのアドバイスは「一枚板選びは遠慮をするな!」です。
木材×アトリエ木馬の技術で生まれ変わった一枚板テーブルを是非店頭でご覧くださいませ。