一枚板を使ったDIYとは?一枚板の選び方や手順を解説
DIYで作成した家具は、愛着を持って長く使えるのが魅力です。
特に一枚板の家具ともなれば、天然木ならではの美しい木目や重厚感をインテリアの一部として楽しめ、世界に一つだけの家具を作る喜びを味わえるでしょう。
本記事では、一枚板を使ったDIYに興味がある方に向けて、一枚板の選び方や一枚板テーブルをDIYする際の手順について解説します。
ぜひ、特別なオリジナル家具作りの参考にしてください。
一枚板のDIYで何が作れる?
一枚板を使ったDIYで作れる家具には、以下のようなものがあります。
- ダイニングテーブル
- ローテーブル
- カウンター
- デスク
- テレビボード
- 収納家具
- フロート棚
- ベンチ
ダイニングテーブルやローテーブル、カウンターは天板の面積が大きいため、一枚板の特徴である木目の美しさや風合いを全面に出せます。
天板を加工した後はテーブル用の脚に取り付けるだけのため、DIY初心者でも挑戦しやすいでしょう。
仕事や勉強に使える机をDIYすれば、使う人の好みに合わせて機能性を持たせられます。例えば奥行きを持たせる、座る側は曲面にする、一枚板の天板に他の木材を組み合わせて引き出しを付けるなど、DIYなら工夫の幅は広がります。
テレビボードも存在感がある家具のため、一枚板でDIYすればリビングに木の温もりやナチュラルな雰囲気を取り入れられるでしょう。
一枚板でカウンターを作ると、食事を取ったりお酒を楽しんだりするスペースをお店のようにおしゃれに演出できます。
一枚板のフロート棚なら、インテリアや小物を飾ってもよく映えます。その他シューズラック、簡単なチェストやベンチなどもDIY可能です。
一枚板の選び方
ここで、DIYする際の一枚板の選び方を解説します。
木の種類と特徴
まずは木の種類と特徴を押さえておきましょう。一般的に広葉樹は堅く、針葉樹は柔らかいという特徴があります。
ダイニングテーブルやリビングテーブルなど、日常的に使用するアイテムには、堅くて傷が付きにくい広葉樹を選ぶと良いでしょう。特に小さな子どもがいる家庭では、広葉樹を選ぶと長く使用できるためおすすめです。
代表的な広葉樹には、けやき、栗、ウォールナットなどがあります。
一方、針葉樹は広葉樹と比較して柔らかいため、一枚板の家具よりは建材として使われることが多いです。
ただし、カウンターのように長い天板が必要な場合は、真っすぐな材が取れやすい針葉樹を選ぶのも選択肢の一つです。
色合い・木目
木の色合いや木目の入り方も確認しましょう。樹種によって白っぽいものから黒っぽいもの、赤みを帯びたものまでさまざまな色合いがあります。
木目は樹種によって異なり、板目か柾目かによっても異なります。木の切り方の違いから、板目は曲線状、柾目は直線状の木目になるのが特徴です。
板目、柾目いずれにしても、整って洗練された印象のものから、節が入って力強い印象のものまでさまざまです。色合いや木目の入り方を確認し、自分の好みに合う一枚を選ぶことが大切です。
形・サイズ
木に同じ形がないように、一枚板にも一つとして同じ形やサイズのものはありません。
直線的な形のものから波打つようなラインを持つものまでさまざまにあるため、DIYする家具の種類や好みに合わせて選ぶと良いでしょう。
例えばダイニングテーブルをDIYするなら、家族の人数に合わせた大きさの一枚板を選ぶことが大切です。4人掛けであれば幅120cm以上、6人掛けなら180cm以上あるとゆったりと座れます。奥行きは一人分40cmが目安とされるため、向かい合って座る場合は80cm以上あると理想的です。
一枚板テーブルのDIY手順
続いて、一枚板でテーブルをDIYする手順を紹介します。
天板に使用する一枚板を選ぶ
まずはテーブルの天板となる、主役の一枚板を選びましょう。一枚板は材木店や銘木店、一枚板専門店などで購入できます。
材木店や銘木店は、板状や角柱状の木材を取り扱っているため、加工しやすくDIYにも向いています。市場から直接仕入れることが多く、価格が安い傾向にあるのも特徴です。
ただし未加工の原木が多く、ヤスリがけや塗装が必要な場合がほとんどです。
一方、一枚板専門店は一枚板に特化した品ぞろえで、国産材から海外材まで豊富な店もあります。
テーブルの天板として適した無垢材が厳選されており、加工、仕上げ、塗装などが済んだ状態で販売されることが多く、購入後すぐに使えるためおすすめです。
「庭に大きな木があるので、それを木材にして使いたい」という方もいるかもしれません。
しかし生木を使用するのはNGです。家具材として使用するためには、徹底した乾燥が必要だからです。
例えば、3cm程度の厚みの材を乾かすには自然乾燥で1年かかると言われています。個人では適した環境で均一に乾燥させるのは難しいため、生木を使うのは控えましょう。
脚を選ぶ
テーブルの脚は単に天板を支えるだけでなく、全体のイメージを左右する重要なパーツです。天板や部屋のイメージに合わせて選ぶようにしましょう。
例えば、I字タイプは直線的ですっきりした印象のため、シンプルな部屋やナチュラルテイストの部屋にマッチします。圧迫感を抑えてくれるので、空間を大切にしたい方にも向いているでしょう。
台形タイプは近代的な印象のため、スタイリッシュな部屋やモダンな部屋のテーブルに向いています。
ロの字タイプは安定感があり、重厚感のある一枚板との相性が良いです。
また、脚を選ぶ際には高さにも注意が必要です。一枚板の厚みと椅子に座った状態を考慮し、希望のテーブル高になる脚を選ぶようにしましょう。
天板を加工する
天板となる一枚板を用意したら、まず加工を行います。なお、一枚板専門店などで購入し、加工が済んでいる場合はこの工程は不要です。手順は以下の通りです。
1. 表面を整える
初めにカンナで木材表面の凸凹を荒削りしておきましょう。木目に沿って順目にかけるとスムーズです。逆目にかけるとカンナの刃が引っかかるのですぐに分かるでしょう。
2. 傷や割れの補修
カンナをかけたら目立つ傷や割れ、節穴をカンナくずとボンドを混ぜたもので埋めます。ボンドが完全に乾いたら、サンダー(電動ヤスリ)で全体を削りましょう。中目(#120~#240)で荒削りし、その後細目(#280~#400)で仕上げると、表面が滑らかになります。
3. 塗装仕上げ
余計な木くずをきれいに取り除いたら、オイル塗装かウレタン塗装で仕上げましょう。ここでは木の質感を生かしやすいオイル塗装の方法を紹介します。まず刷毛や布にオイルを付け、板に塗布しながらウエスでよく擦り込みます。表面に油分が浮いてくるまで、何度も塗布し、風通しの良い日陰で1日、できれば2~3日乾燥させましょう。
4. 2回目の塗装と仕上げ
しっかりと乾燥したら2回目の塗装です。油分が浮き上がるのを確認しながら薄めに塗布します。完全に乾燥させる必要はなく、耐水ペーパーで磨き上げましょう。最後にオイルを薄く塗り、ウエスでサッと拭き取ったら完成です。
脚を取り付ける
天板の加工が終わったら、脚を取り付けましょう。脚のビス穴に合うビスを用意します。ビスの長さは天板の4分の3程度を目安にしましょう。
横に椅子を何脚並べる予定かなど、条件や仕上がりのイメージを考慮し、よく確認してからビスの下穴を開ける場所を決めてください。
広葉樹など、硬めの一枚板を選んだ場合、直接ビスを打てない場合がほとんどです。真っすぐ無理なくビスを打つためにも、忘れず下穴を開けましょう。電動ドライバーを使用し、低速で開けていくのがコツです。ビスを打ち込む際も同様に低速で丁寧に打ち込みましょう。
なお、一枚板専門店「アトリエ木馬」の一枚板テーブルは、専用脚に乗せるだけで使用頂ける仕様になっているため、ネジ等での固定は一切必要ありません。
固定をせず載せるだけで使用する一枚板テーブルにはメリットがたくさんあります。興味のある方は、下記ブログを参考にしてみてください。
DIYで一枚板を使うメリット
家具をDIYする際に一枚板を使うことには以下のメリットがあります。
自然素材ならではの温もり
一枚板を使った家具が部屋の中にあれば、自宅にいながら自然の温もりや豊かさを感じられます。
例えば一枚板のダイニングテーブルなら家族団らんの時間が穏やかなものになり、仕事用デスクならストレスの軽減やパフォーマンス向上につながるでしょう。
一枚板の家具は単なるインテリアの枠を超え、日常生活に心の安らぎや充実感をもたらしてくれるメリットがあります。
一点物の美しい木目
切り出した一枚板の木目には一つとして同じものはありません。木々がそれぞれ自然に生み出した芸術とも言えます。
光の当たり方によって雰囲気が変わるので、一日を通してさまざまな表情を見せてくれるのも魅力です。
一枚板なら人工的に作られた樹脂木材や集成材の木目では感じられない、美しく迫力のある木目を楽しめます。
世界に一つだけのオリジナル家具が作れる
一枚板は木目も形も同じものはありません。DIYで自分の手を加えることで愛着が増し、世界に一つだけのオリジナル家具に仕上がります。
さらに一枚板は耐久性も高く丈夫なため、長く使い続けられるのも魅力です。
使い続ける中で味わいが深まり、一層オリジナリティが増していくのも、一枚板ならではの楽しみでしょう。
DIYで一枚板を使う際の注意点
先述の通り、一枚板は十分に乾燥させてから製品として販売されています。乾燥によって割れや反りを抑え、耐久性を高めるためです。
ただし、乾燥させた後も木材の調湿作用は続きます。木は湿気を吸うと膨張し、湿気を吐き出すと収縮します。そのため使用環境によっては、反りや割れが生じるリスクはゼロではありません。
まずは、信頼できる店で十分乾燥された一枚板を入手することが大切です。さらに家具として加工した後もメンテナンスは欠かさないようにしましょう。
オイル塗装かウレタン塗装かによって異なりますが、ここではオイル塗装のメンテナンス方法の例を簡単に紹介します。
1. 表面に軽くヤスリをかける
2. 固く絞った布で木くずを拭き取る
3. 乾燥させてからオイルを塗布する
4. ウエスで拭き上げ、半日程度乾燥させる
最初の1年は半年に1回程度、その後は年に1回程度が目安です。
自分でメンテナンスするのが難しい場合は、専門業者に依頼するのも有効な方法です。
まとめ
一枚板をDIYすれば世界に一つだけの家具を作れるだけでなく、傷や汚れも味として楽しみながら長く活用できます。
一枚板を使った家具を部屋に置けば、木の息遣いを近くに感じられるためリラックスした毎日を過ごせるでしょう。
オイル塗装の場合は、メンテナンスは必要ですが、手をかける度に愛着が増すのもDIYで作った一枚板の家具ならではです。
一枚板家具の専門店「アトリエ木馬」では、仕上げの塗装まで施した、さまざまな樹種、サイズの一枚板をご用意しています。
個性豊かな一枚板と、様々なデザインの脚から自分好みのものを組み合わせ、世界にひとつ、自分だけの一枚板テーブルをお選び頂けます。
ぜひ全国の直営店やオンラインストアで、お気に入りの一品を探してみてください。