環孔材と散孔材はどう違う? それぞれの特徴や代表的な樹種とおすすめの一枚板テーブルをご紹介
木の種類は広葉樹と針葉樹に分類され、広葉樹は環孔材と散孔材といった種類に分けられます。
それぞれに異なる特徴がありますが、見分け方が分からないという方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、環孔材と散孔材の違いや特徴、それぞれの代表的な樹種を紹介します。
家具や一枚板テーブルを購入する際は、ぜひ記事の内容を参考にして、自分の好みに合う木材を選んでみてください。
この記事でわかること
- 環孔材と散孔材の違いとは?木目や手触りの違いについて
- 環孔材と散孔材の代表的な樹種
- 環孔材と散孔材から見るおすすめの一枚板テーブル
環孔材と散孔材の違いを見分ける方法
木には広葉樹と針葉樹という種類があり、それぞれ組織の構造が異なります。
平たくて幅のある葉を持つ広葉樹は、針葉樹に比べて堅く傷が付きにくいのが特徴です。
また広葉樹には道管が複雑な構造であるという特徴もあり、道管の並び方によって以下の2種類に分類されます。
●環孔材
●散孔材
環孔材は道管が年輪に沿ってリング状に並んでいるのが特徴で、散孔材は道管の配列が整っておらず、まんべんなく散らばっているのが特徴です。
環孔材と散孔材には、それぞれ異なる魅力があります。
次項からは、環孔材と散孔材の特徴を詳しく解説します。
環孔材の特徴
環孔材の特徴は以下の通りです。
・凹凸を感じられる手触り
・くっきりとした木目
それぞれ詳しく解説します。
凹凸を感じられる手触り
環孔材の特徴の一つが、凹凸を感じられる手触りです。
環孔材は散孔材に比べて道管が太く、手触りに影響を与えます。
木材の表面には道管の縦断面が並ぶため、道管が太いほど、木材の表面の凹凸を感じやすいです。
より無垢材らしさを味わえる家具を購入したい場合は、環孔材を使用している家具を探されることをおすすめします。
くっきりとした木目
木目がくっきりとしているのも、環孔材の特徴です。
前述の通り環孔材は道管が太く、年輪に沿ってリング状に配列しています。
そのため一枚板として切り出した際に、木目がくっきりと表れやすいです。
木目の美しさと明瞭さは、環孔材の大きな魅力でしょう。
またニーズに合わせて一枚板の環孔材を塗装するケースがありますが、道管が太いので塗装しても道管が深いため底まで塗料が埋まらず、木目が消えにくいのも環孔材ならではといえます。
環孔材の代表的な樹種
環孔材にはさまざまな樹種があります。特に代表的な環孔材の樹種は以下の通りです。
●ケヤキ
●クリ
●モンキーポッド
それぞれの樹種の特徴について詳しく解説します。
ケヤキ
環孔材の代表的な樹種の一つが、ケヤキです。
ケヤキはニレ科ケヤキ属の広葉樹です。
原産地は日本や中国、朝鮮半島などの東アジアで、日本国内では北海道を除く本州や四国、九州の全域に生育しています。
ケヤキの一枚板の特徴は、赤みがかかったぬくもりのある色味とはっきりとした美しい木目です。
耳に近い部分の直線的な木目と心材部分の曲線のコントラストが美しく、暖色系の照明と合わせると温かみのあるお部屋になります。
木によっては玉杢や泡杢、笹杢などの美しい模様が出るものもあるので、ぜひ表面の模様をチェックして選んでみてください。
ちなみに、ケヤキは重く硬い木材であるものの加工がしやすいため、家具や建材、彫刻、和太鼓などに使用されます。
クリ
クリも代表的な環孔材の一種です。
日本国内のほとんどの地域で生育しており、古くから建築や食料として用いられた身近な木です。
クリの一枚板テーブルは、流れるような緻密ではっきりした木目と木を味わえる質感が魅力的です。
褐色の落ち着いた色味をしているので、北欧インテリア、和モダンなど幅広いインテリアに馴染みます。
耐久性と耐水性に優れている点から、土木用や木造建築にも使われ家具材としての勝手の良さも評価されています。
モンキーポッド
モンキーポッドも代表的な環孔材の一つです。
熱帯アメリカが原産で、マメ科ネムノキ亜科に属する常緑高木です。
別名にはレインツリーやアメリカネムノキがあります。
ハワイや南米など、温暖な地域で育つ樹種であり、10度以下の寒冷に弱く、日本では沖縄以外で育たないといわれています。
モンキーポッドの一枚板の魅力は、マーブリングを施したような美しいグラデーションの木目です。
耳部分の黄みがかかった明るい色と濃淡のあるブラウンが入り交じり、お部屋の主役になるような目を引く色合いを持っています。
また、家具の素材として使用される以外にも巨木であることを生かして、彫刻用の材料として使用されることもあります。
散孔材の特徴
次に、散孔材の特徴を紹介します。散孔材の特徴は以下の通りです。
・すべすべとした手触り
・穏やかな印象の木目
それぞれ詳しく解説します。
すべすべとした手触り
散孔材の特徴の一つは、すべすべとした手触りです。
先ほど環孔材は道管が太いため、凹凸を感じられると紹介しましたが、散孔材は道管が細いため、表面の凹凸が出にくくなります。
そのため散孔材の肌触りはすべすべしているのです。
穏やかな印象の木目
散孔材のもう一つの特徴は、穏やかな木目を持っているということです。
散孔材は道管が細く、年輪とは無関係に分布しているため、環孔材と比較すると木目が穏やかに見えるケースが多いといえます。
優しい表情の木目を持つ樹種といえるでしょう。
ただし散孔材の中でも、道管の細さは樹種によって異なります。
例えばウォールナット材はカエデ材と比べると道管が太いため、比較的木目が出やすいといったケースもあります。
散孔材の代表的な樹種
散孔材の代表的な樹種は以下の通りです。
●ウォールナット
●トチ
●ポプラ
それぞれ詳しく解説します。
ウォールナット
散孔材の代表的な樹種の一つが、ウォールナットです。
ウォールナットは主に北米で生育する木で、世界三大銘木にも数えられます。
特徴としては、散孔材ではあるものの木目が表れやすく、繊細でまっすぐ整った落ち着いた木目と高級感のあるブラウンが人気です。
ウォールナット製の家具は展開が多く、椅子やソファのフレームなどインテリアとして統一感を出しやすいのも魅力の一つです。
トチ
トチも代表的な散孔材の一つです。
日本では主に北海道や東北地方に生育している木で、本州や四国、九州などにも分布しています。
大木になりやすく、ハイキングコースの他、街路樹や庭園樹として目にする機会もある樹種です。
トチは捻じれながら育つという独特の性質を持っています。
この性質により形状が複雑になりやすい他、木の動き方によって縮杢が生まれやすいのが特徴です。
木材はやや赤みを帯びた黄白色や淡黄褐色をしており、色合いはナチュラルです。
さまざまなインテリアに合わせやすく、ダイニングテーブルやデスクなどの家具材としても使用されます。
ポプラ
ポプラも、散孔材の代表的な樹種の一つです。
北米が主な原産地の樹種で、木材の表面に近い辺材は白から黄白色で広く、中心に近い心材は淡褐色をしています。
生育段階でコブができるため、一枚板テーブルにしたときに複雑で美しい瘤(こぶ)杢や動きのある形状を持つものが多いです。
ポプラは明るい色味なので、オーク材の椅子と合わせてナチュラルな雰囲気にしたりステンレスやセラミック製の家具と合わせてモダンにコーディネートするなど幅広くインテリアを楽しむことができます。
まとめ
環孔材は木の凹凸を感じられやすく、散孔材はすべすべとした手触りが特徴です。
どちらにもさまざまな樹種があり、好みや雰囲気に合わせて樹種を選ぶことができます。
アトリエ木馬では、世界中から集めたさまざまな樹種の一枚板を取り扱っています。
木馬オンラインストアでは樹種から木材を検索でき、同じ樹種の中でサイズや木目のデザインを比較することができます。
また、全国に9店舗の直営店がありますので実際に一枚板テーブルを見て、触って、世界に一つだけのテーブルを選んでみてはいかがでしょうか。