無垢材テーブルのデメリットとは? 後悔しないための選び方・対策・メリットも紹介
無垢材のテーブルは、美しい木目と経年変化による味わい深さから、多くの人々に愛されています。
しかし実際に購入を検討する際には、デメリットについても十分に理解しておくことが大切です。
無垢材テーブルは、水や傷、温度変化に影響を受けやすいという特徴があります。
しかし、適切なお手入れをすれば、10年、20年と長く愛用することができます。
本記事では、無垢材テーブルのデメリットとその対策、さらに選び方やメリットについても詳しく解説します。
無垢材テーブルの購入をご検討の方は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
無垢材テーブルのデメリット
無垢材テーブルは自然な風合いと高級感で人気の家具ですが、いくつかのデメリットもあります。
購入を検討する際に、以下のポイントをしっかりと理解しておきましょう。
傷が付きやすい
無垢材テーブルは、自然な美しさと温かみのある質感が魅力的である一方で、表面が傷付きやすく、へこみが生じやすい傾向があります。
例えば、無垢材テーブルに鍋やIHヒーターなど重量があるものを置いたり、それを引きずったりすると、テーブルとの接地面に擦り傷が付く可能性があります。
また、食事中にコップなどをテーブルに落とした場合は、衝撃によって木材表面にへこみが生じることもあるでしょう。
特に、スギやヒノキといった柔らかい針葉樹の木材で作られた家具は、ナラやオークなどの硬い広葉樹と比べて、傷やへこみができやすいという特徴があります。
シミが付きやすい
オイル塗装の無垢材テーブルは吸湿性に優れており、空気中の湿度を自然に調整する特性がありますが、その反面、液体をこぼした際に水分を素早く吸収してしまい、シミや汚れが付きやすいというデメリットがあります。
特に注意が必要なのは、油分を含む液体や着色された飲み物です。
オイル塗装無垢材のダイニングテーブルの上でこぼしてしまった場合、すぐに拭き取ったとしても、材質の性質上、完全に取り除くことが難しいです。結果として、シミが残ってしまう可能性があるでしょう。
なお、オイル塗装ではなく、ウレタン塗装で仕上げている無垢材テーブルの場合は、この心配はありません。
シミや汚れが気になる方はウレタン塗装の無垢材テーブルがおすすめです。
反りやひびが起きやすい
無垢材テーブルには湿度を調整する性質がありますが、それが原因で起こる注意点もあります。
木材は湿気を吸ったり放出したりすることで、膨張と収縮を繰り返します。この動きが長い間続くと、家具が反ったり歪んだりする可能性が出てくるのです。
特に湿気の変化が激しい環境では、木材に負担がかかり、表面や接合部分にひび割れが生じることもあります。
お手入れに手間がかかる
オイル塗装無垢材は定期的なメンテナンスが欠かせません。水分や熱に対して特に敏感な性質を持っているため、日常的な配慮が必要です。
先述の通り、コップから出た水滴をそのまま放置することでシミができたり、熱い鍋やフライパンなどを直接置くことで熱による輪ジミになったりする可能性があります。
オイル塗装の場合、これらのシミを取る方法の一例として、サンドペーパー(ヤスリ)で軽く擦って塗装を塗り直す方法があります。しかし慣れていない方にとっては、少々手間に感じるかもしれません。
また、長期的に木材の美しさと耐久性を保つためには、定期的に専用のワックスをかける必要があります。
なお、この点についても、ウレタン塗装はほとんどの場合がお手入れの必要ななく、メンテナンスフリーで使用できます。
お手入れの点が気になる方は、ウレタン塗装の無垢材テーブルを選ぶとよいでしょう。
重くて移動しにくい
無垢材のテーブルは、一本の木から作られているため重いです。一人では持ち上げられないので、掃除や模様替えの時は、複数人で動かす必要があります。
テーブルを頻繁に動かす予定がある場合は、買う前に重さをチェックしましょう。
無垢材は見た目は普通のテーブルでも、分厚い木でできているので予想以上に重いことを忘れないでください。
価格が高めである
テーブルの天板に使用される素材は、大きく分けて無垢材と木目調の合板があります。無垢材は天然木そのものを使用しているため、木目調のシートを貼った天板と比べて価格は高めです。
ただし、適切なメンテナンスを行えば、何十年にもわたって長期的に使い続けられます。
無垢材の天板は、製造方法や木材の使用方法によって以下の3種類に分類されます。それぞれ特徴を理解した上で、予算や好みに合わせて選ぶとよいでしょう。
- 集成材:木の端材や小片を接着剤で再構成した板材。(比較的安価)
- 幅はぎ材:比較的大きな板を、木目や色合いをそろえて接着したもの(中間価格)
- 一枚板:丸太から切り出した1枚の大きな板(比較的高価)
一枚板が比較的高価格になりやすい理由は、1本の丸太から取れる量が限られており、希少性が高いためです。
また、乾燥や加工に時間がかかったり人の手で行われる工程があったりするのも要因の一つです。
無垢材テーブルのデメリットを解消するための対策
無垢材テーブルにはいくつかの注意点がありますが、適切なケアや対策を行えば、美しい状態を保ちながら長期的に使用可能です。
ここでは、無垢材テーブルのデメリットを解消するための具体的な対策をご紹介します。
テーブルマットを使用する
無垢材のダイニングテーブルには、テーブルマットの利用が効果的です。
テーブルマットは、コップの転倒や飲み物のこぼれなどによる傷やシミからテーブルを守ります。特に液体をこぼした際は、マットが水分を吸収することで、木材への浸透を防いでくれます。
うっかり食器などを落としてしまった時にも、マットが衝撃を吸収するのでダメージを軽減することが可能です。
透明のテーブルマットを選択すれば、無垢材本来の美しい木目や風合いを損なうことなく保護できるでしょう。
直射日光やエアコンが当たらない場所に置く
無垢材テーブルは、温度変化の影響を受けやすいため、エアコンやストーブといった冷暖房器具の近くへ設置するのは避けましょう。
また直射日光に長時間さらされると、変色や劣化が起こることもあります。カーテンやブラインドで日差しを調整できる場所が望ましいです。
無垢材テーブルを検討する際は、部屋の間取りや生活動線を考慮した上で、適切な配置場所を決めましょう。
家具同士のバランスや使いやすさも含めて、総合的に判断することが大切です。
定期的にオイルメンテナンスをする
オイル塗装無垢材のデメリットを解消するには、適切なメンテナンスが有効です。定期的にオイルを塗布することで、木材表面に保護膜ができ、乾燥や汚れから守ることができます。
特に使用頻度の高い無垢材のダイニングテーブルは、1〜2カ月に1回程度のメンテナンスが推奨されます。
その他の家具は、使用頻度や環境に応じて半年に1回程度の頻度でも十分でしょう。
梅雨のように湿度が非常に高い時期や、空気が乾燥しやすい季節には、より丁寧にオイルメンテナンスを行ってください。
メンテナンスを怠ってしまうと、木材の乾燥によるひび割れや反り、歪みなどの問題が生じる可能性が高くなります。
表面の保護膜が薄くなることで、汚れやシミが付きやすくなる原因にもなるでしょう。
なお、ウレタン塗装の場合は、基本的に日々のメンテナンスは必要ありません。ただ、ウレタン塗装の場合も水分や汚れを放置すると劣化の原因にはなりますので、こまめに水拭きすることをおすすめします。
後悔しない無垢材テーブルの選び方
無垢材テーブルは、長く愛用できる魅力的な家具です。しかし、選び方を誤ると使いにくく感じたり、反りや割れなどのトラブルに悩まされたりする可能性もあります。
以下では、後悔しない無垢材テーブルの選び方について、3つの重要なポイントを紹介します。
用途に合った素材・サイズを選ぶ
無垢材テーブルの木材には、それぞれに異なる特徴があります。硬さや耐久性、色合い、木目の雰囲気も異なるため、自分の好みや生活スタイルに合ったものを選ぶことが大切です。
また、テーブルのサイズは、家族構成や食事スタイル、部屋の広さに合ったものを選びましょう。設置スペースや椅子の大きさ、周囲の導線なども考慮し、無理なく使えるサイズを選ぶのがポイントです。
→【参考】ダイニングテーブルのサイズ選び | 人数や部屋の広さ別に紹介
なお、木材の種類については、後述する「無垢材テーブルに使われる樹種」で詳しく説明していますので参考にしてください。
反り止め加工されているものを選ぶ
無垢材テーブルは室内の温度や湿度の変化の影響を受けやすいため、どれほど気を付けていても、反りが生じてしまう可能性があります。
特に、季節の変わり目や空調の使用時には注意が必要です。そのため、購入する際は「反り止め加工」がされているかどうかを確認しましょう。
反り止め加工が施されているテーブルなら、乾燥している部屋でも気兼ねなく使用できます。反り止め加工の方法は、天板の裏面に金具を取り付けることで木材の反りを抑えるものが一般的です。
なお、アトリエ木馬の一枚板は、基本的にこの反り止めを施しておりません。それでも安心して使用できる秘訣があります。
詳細は下記リンク先からご覧ください。
→【参考】一枚板に反り止めは必要?種類や加工方法を合わせて解説
アフターメンテナンスがあるか確認する
無垢材テーブルは長期間使用していると、傷が付いたりへこみが気になったりすることがあります。そのような場合に備え、メーカーのアフターサービスの有無や対応内容を事前に確認しておきましょう。
アフターサービスの内容は、修理や交換の範囲、保証期間、修理時の集荷サービスの有無などメーカーによって大きく異なります。
気になるテーブルが見つかった際は、購入前にアフターサービスの詳細を把握し、長く使えるかを見極め、十分に納得してから購入を決めましょう。
無垢材テーブルの魅力・メリット
無垢材テーブルは、単なる家具としての役割だけでなく、暮らしに心地よさと豊かさをもたらす魅力があります。
ここでは、無垢材テーブルの主な魅力やメリットを紹介します。
自然素材によるリラックス効果
無垢材テーブルの魅力の一つが、天然木に含まれるリラックス効果のある香りです。これは「フィトンチッド」という自然の香り成分で、心を落ち着かせる効果があるとされています。
脳内のα波を増やして心を安定させ、ストレスを和らげる働きがあるとされます。
無垢材の家具やフローリングに囲まれて暮らすと、まるで家の中で森林浴をしているような癒し効果が期待できるでしょう。特に、加工を施さない無垢の一枚板は、この効果を保つことが可能です。
オリジナリティの高さ
木目は木が育った環境や年数、気象条件などによって変化するため、一つひとつ異なります。
同じ木目模様の無垢材は二つとして存在せず、無垢材を使用して作られた家具はすべて一点ものです。
そのため無垢材のテーブルは、まさに世界で一つだけの特別な家具といえます。オリジナリティを大切にしたい方にとって大きな魅力でしょう。
経年変化を楽しめる
無垢材は、使えば使うほど木の色は深みを増し、独特の風合いが出てきます。
表面に木目調のシートを貼った化粧板とは違い、無垢材は傷が付いても味わいとして楽しむことができます。
一枚板のテーブルなら、使い込むほどその魅力が増し、家族の思い出と共に年を重ねる実用的な家具としておすすめです。
耐久性の高さ
無垢材テーブルは耐久性が高く、適切なメンテナンスを行えば、美しさと機能性を長く維持できます。
数十年という長い期間は使い続けることも可能で、親から子へ、次の世代へと受け継がれ、世代を超えて愛され続ける家具となるでしょう。
冬でも冷たさを感じにくい
木材は金属やガラスなどと比べて、熱さや冷たさが伝わりにくい性質があります。
例えば、木のお椀に熱い汁を入れても外側が熱くなりにくいのに対し、金属の容器はすぐに熱を伝えてしまいます。
同様に、無垢材テーブルは冬場でも触れた時に冷たさを感じにくく、優しいぬくもりを感じられるのは無垢材ならではの大きなメリットといえるでしょう。
無垢材テーブルによく使われる樹種
無垢材のテーブルには、さまざまな樹種が使用されており、それぞれに独自の木目や色合い、硬さの特徴持っています。
ここでは、無垢材テーブルでよく使用される代表的な樹種を紹介します。
ウォールナット
ウォールナットは、チークやマホガニーと並び世界で有名な高級木材の一つです。主に北米で育つブラックウォールナットが、家具や建材によく使われています。
ウォールナットは濃い茶色の木目と、滑らかでツヤのある表面が魅力です。高級感があり、落ち着いた雰囲気を演出します。
ウォールナットは年月の経過とともに木の色が変化し、最初の濃い茶色は徐々に明るい赤茶色や黄茶色に変わっていくのが魅力です。
硬くて丈夫で形が歪みにくいため、テーブル材として非常に適しています。
チェリー
チェリーは、きめ細かな木肌と美しい光沢が特徴の高級な家具材です。チェリーは北米東部に生える広葉樹で、春に食用のアメリカンチェリーの実をつけることで知られています。
木目が穏やかで手触りも滑らかなため、優しい雰囲気が特徴です。また、赤みがかった木の色合いが上品な美しさを感じさせます。
使えば使うほど薄いピンク色から深い赤茶色へと変わり、エレガントな雰囲気を演出できるのが魅力です。
タモ・ホワイトアッシュ
タモとホワイトアッシュは、ともにモクセイ科トネリコ属の広葉樹です。丈夫で衝撃に強く、家具や野球バットによく使われる人気の樹種です。
タモとホワイトアッシュの特徴は、木目がくっきりとして明るい色をしている点です。自然な雰囲気があり、タモの方が少し黄色みがかっていて、木目が密集している傾向があります。
どちらの樹種も経年による色や見た目の変化があまりないので、安定した外観で家具を長く愛用したい方におすすめです。
ナラ・ホワイトオーク
ナラとホワイトオークは、ともにブナ科の広葉樹ですが、育つ場所が違います。ナラは日本・中国・ロシアで育つミズナラという木から作られます。
特に北海道のミズナラはジャパニーズオークとして世界的に有名です。一方、ホワイトオークは北米で育つ木です。
見た目はどちらも明るい色調と自然な風合いを持ち、部屋の雰囲気に馴染みやすいのが魅力です。時間がたつと、徐々に茶色く濃い色に変化し深みを増していきます。
また、どちらも「虎斑(とらふ)」という、虎の毛皮のような模様が現れることがあり、これが多くの人に美しさとして評価されています。
まとめ
無垢材テーブルは、反りや割れなどのトラブルを防ぐために注意すべき点はありますが、適切なメンテナンスを行い、使用方法を理解すれば、長年にわたって美しく使用できます。
湿度管理や定期的なお手入れを習慣にすることがポイントです。
天然素材ならではの風合いと、年月とともに増す味わいを楽しめるのが無垢材テーブルの魅力です。
世界に一つだけの存在感がある家具として、暮らしに取り入れてみてはいかがでしょうか。
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